トラベルコマースプラットフォームのトラベルポート(Travelport)は、IBM、ビジネストラベル専門旅行会社のBCD Travelと連携し、ブロックチェーンを活用したホテル予約手数料の管理プラットフォームを開発したことを明らかにした。
3社はホテルの手数料処理を最適化するために、ブロックチェーンベースのプラットフォームを共同で開発。消費者が旅行代理店を通じて行った客室予約の全プロセスをブロックチェーンに記録することで、正確な追跡や計上管理を可能にする。
トラベルポートとIBMとの共同開発は、「IBMガレージ」と呼ばれる枠組みの中で行われた。IBMガレージは、新しいテクノロジーの試行やアプリ構築の新たな手法の追究を望む企業などを対象としたコンサルティングプログラムで、企画から試行まで短期間での具体化を推進するものだ。
トラベルポートのシニアプロダクトディレクターロス・ヴィノグラッド氏は「宿泊施設に予約者が来ないノーショーや、無料サービス分の泊数などが手数料の相違を招き、結果としてコストの拡大や収益機会の逸失につながることもある。予約のサイクルをブロックチェーン上に置くことが私たちの目標で、それによって透明性や信頼、さらには予約数そのものを増やすと信じている」とコメントしている。
仮想通貨やブロックチェーン関連ニュースメディアのCointelegraph(コインテレグラフ)によると、Booking Holdings 最高経営責任者のグレン・フォーゲル氏は、「ブロックチェーンベースの通貨は今後も成長を続け、さらに普及する可能性があると考えている」とコメント。
旅行業界における支払いシステムの未来については、「シームレスさの必要性を強調するとともに、データのセキュリティが非常に重要である」と付け加えた。
旅行業界では、世界をリードする企業はブロックチェーン技術に目を向けつつある。最近では、アラブ首長国連邦の国営航空会社、エティハド航空がブロックチェーンをベースとした旅行プラットフォームのWinding Tree(ワインディング・ツリー)と提携するなどしている。