2016 年 8 月の訪日外客数は、前年同月比 12.8%増の 204 万 9 千人と、前月に続き 200 万人を超え、8 月として過去最高となり、累計では昨年より約 2 か月前倒しで 1,500 万人を超え、1,606 万人となったと日本政府観光局が報じた。
具体的には、シンガポール、インドネシア、ロシアを除く 15 市場が 8 月として過去最高を記録したほか、全体として好調な伸び率となった。中でも中国は過去最高の2016年7月の訪日外客数に次ぐぐ過去 2 番目の訪日者数である677,000 人を記録し、全体の数字を押し上げた。
(出典 日本政府観光局(JNTO)」)
伸びが堅調な訪日外客数に合わせ、2016 年 8 月の民泊物件数、民泊稼働率に関し、前年同月比で東京・大阪・京都の主要3各都府における動向をSPIKEデータ for 民泊を活用して分析を行った。
物件数での伸び率では、東京で約3倍、大阪では約4倍であったのに対して京都は10倍に増えている。稼働率では物件数増加の影響で減少する東京、大阪に対して、京都では稼働率も伸びており、供給が足りていない状況がうかがえる。
客室単価では東京と京都が増加している一方、大阪では600円近くも減少している。これは、東京、京都の比率に比べて上位ホスト・スーパーホストの数が少ない事、3日以内の滞在のいわゆる短期滞在者の比率が多い事などが原因として考えられる。
総じて2015年度に比べ、主要3都府とも民泊物件数が倍増以上の推移を見せていることが確認できる一方、民泊稼働率及び民泊客室単価に関しては各都府の状況を反映した結果となった。
2016年 9 月は中華圏(中国、香港、台湾)において中秋節が予定されているほか、韓国においても秋夕が予定されていたりと、2016年8月期同様、東アジア人にとって旅行しやすい月になっているため、数字の推移に注目が集まっている。
その状況の変化により、民泊データもどのように移行するのか、データの推移に期待したい。