需要と供給の状況に応じてホテルの宿泊価格を変動させ売上の最大化を狙う「ダイナミックプライシング」の導入がホテルなどの宿泊業界で徐々に進みつつある。
宿泊施設の価格決めを人間による経験や勘ではなく、需要と供給の状況などを加味してオートマティックに行うダイナミックプライシングはすでに2年以上も前から行っているのが民泊仲介サイト世界最大手のAirbnb(エアービーアンドビー)だ。
Airbnbではすべてのリスティングに対して、類似のリスティングの需要変動やシーズンに合わせて宿泊価格を自動調整する「スマートプライシング」という機能を提供している。
スマートプライシングでは、チェックイン日までの残り時間やエリアの人気度、シーズンやリスティングの人気度や記載情報など実に70以上にも及ぶ料金決定要因を基に予約獲得率を最大化する推奨価格を提示する。
Airbnbではすでに以前から提供されている「ダイナミックプライシング」の波がここにきてホテル業界にも浸透し始めてきた。この新たな波を起こしているのはメトロエンジン株式会社が提供するレベニューマネジメントツールの「メトロエンジン」だ。
メトロエンジンはホテルの競合価格や在庫情報、イベント情報やレビューデータ、民泊データなど様々なビッグデータから人工知能・機械学習技術を活用し客室単価設定を行うレベニューマネジメントツール。
ホテル業界では部屋の価格決めは人の経験で行われていることが多く、航空券やチケットなど他業界ではダイナミックプライシングの導入が進む一方でホテル業界ではほとんど導入が進んでいなかったが大きく変わりつつある。
2017年12月にホテルモントレが関西5ホテルでメトロエンジンを正式に導入したのを皮切りに、ホテル関西やホテルザフラッグ、東急ホテルズ、ホテルウィングインターナショナルなどが相次いでAIによるレベニューマネジメントの導入をはじめている。
▼続々と増加するAIレベニューマネジメント導入企業
リリース日 | 導入ホテル・運営会社 | 導入ツール |
2018年7月 | 大阪東急REIホテル | メトロエンジン |
2018年6月 | HOTEL THE FLAG Shinsaibashi | メトロエンジン |
2018年5月 | ナイスインホテル市川東京ベイ | メトロエンジン |
2018年4月 | 東ビルエンタープライズ | メトロエンジン |
2018年4月 | ホテル関西 ホテルソビアル 大阪 ドーム前 | メトロエンジン |
2018年4月 | ワールドリゾートオペレーション | メトロエンジン |
2018年4月 | ホテルウィングインターナショナル | メトロエンジン |
2018年4月 | ピアッツァホテル奈良 | メトロエンジン |
2018年2月 | センチュリオンホテル | メトロエンジン |
2017年12月 | ホテルモントレ大阪 ホテルモントレ ラ・スール大阪 ホテルモントレ グラスミア大阪 ホテルモントレ京都 ホテル モンテ エルマーナ神戸 アマリー | メトロエンジン |
※2018年7月22日時点のAirstair調査