【速報】違法民泊「全削除」でホテル業界にAirbnbバブル到来、Airbnbへのホテル参入が急加速か

《追記:2018年6月7日》Airbnbの「全削除」に世界中が衝撃 民泊の宿泊予約も強制キャンセルで徹底排除へ

民泊仲介サイト世界最大手のAirbnb(エアービーアンドビー)は、観光庁の通知発出を受けて当初6月15日に実施を予定していた違法民泊の全削除を前倒しし、事前通知なく6月2日にAirbnbサイト上から削除した。

Airbnbは、当初6月14日までに既存の民泊ホストに対して、住宅宿泊事業の届出番号や旅館業法や特区民泊の許認可番号を入力するよう求めていた。

Airbnbが公式発表したリスティング数は、2018年2月現在で約62,000件で、そのうち東京都では約21,200件、大阪市では約14,300件、京都市では約6,200件となっている。

Airbnbによる全削除でどれくらいの物件が減少したか正確な数値についての公式発表は現段階ではないが、Airbnbから宿泊予約できるリスティングは激減していることが確認できる。

Airbnbで宿泊予約を行える宿泊施設が急減したことで、これまでAirbnbに掲載していたホテルや旅館、簡易宿所の営業施設、特区民泊などの宿泊施設に宿泊予約が殺到する「Airbnbバブル」が起きはじめた。

《関連記事》観光庁、民泊仲介業者に違法物件への予約客の取り消しを通知

 

Airbnbの全削除対応で、民泊の供給量が大幅減

Airbnbが公表したゲストに関する宿泊データによると、2018年2月は580万人(国内ゲスト、インバウンドゲスト数含む)が日本国内のAirbnbのリスティングを予約している。

また、年初にAirbnbが発表したAirbnbの旅行トレンド調査では、2018年上期にもっとも予約された都市として東京が世界1位、大阪が世界3位になるなど日本は世界的に見ても非常に注目度が高い。

このように日本の民泊ニーズが非常に高いのに対して、Airbnbが6月2日に実施した全削除対応により宿泊施設の供給が急激に減少。この影響で日本国内のAirbnb掲載物件の予約が取りにくい状態になっている。

《関連記事》2月のAirbnb利用宿泊客は580万人を突破

 

ホテル業界に突如沸き始めた「Airbnbバブル」

6月4日現在、Airbnbに掲載されている施設は、ゲストハウスやカプセルホテルなどの簡易宿所施設やホテルや旅館などの施設で、これらは旅館業法や特区民泊の許認可を取得していることから削除されることはなく継続掲載できる。

そのため、Airbnbの全削除対応後にも残っている宿泊施設にゲストが殺到するような状況が生まれつつあり、「Airbnbバブル」前夜さながらだ。

Airbnbにホテルは掲載できないとの先入観を抱きがちであるが、「ホテルの掲載基準とは?」というヘルプページを用意していることからもわかるように、一定の基準を満たすホテルであればAirbnbはその掲載を歓迎している。

現在供給量が急低下しているAirbnbにホテルや旅館などの許可施設をAirbnbで掲載載することで、稼働率を大幅アップできる可能性もあり、これを機会にAirbnbへの掲載を検討すべき時期に来ていると言えるだろう。

Airbnb ホスト募集

旅館業者の宿泊施設の品質基準

  • ふれあいのスペースや交流イベントにアクセスできること
  • 客室はそれぞれ独自色やローカル色のあるデザインで、パーソナルな演出があること
  • 地元の特徴を反映した客室と共用スペース
  • 他物件とは異なるユニークなデザインの特徴
  • 写真がハイクオリティ

 

ホテルの「敵」だったAirbnbは、ホテルの「味方」へ

Airbnbは、世界中でサービスを急拡大させる一方で日本以外にもフランスやニューヨークなど様々な都市で既存のホテル業界と熾烈な戦いを繰り広げてきた。

しかし、日本のAirbnbは2017年12月に「住宅宿泊事業法」を遵守する方針を明らかにし、住宅宿泊事業法の許可番号などがない違法民泊を全削除することを通知するとともに、2018年6月に実際に「全削除」するまでに至った。

これまで日本のホテル業界はAirbnbを「敵」として反対の声が上がることも多かったが、違法民泊を掲載せず旅館業法などの許認可施設のみを掲載し莫大なトラフィックと流入を誇るAirbnbは、ホテルの「敵」ではなく「味方」になったことを意味している。

Airbnbはこれまで「民泊仲介サイト」と呼ばれ部屋を貸したい個人と部屋を借りたい個人をつなぐマッチングサイトであった。しかし、これからのAirbnbはホテルなどの法人向けをさらに強化し「OTA」化する運命をたどることになるだろう。

 

今後、ホテル事業者によるAirbnb参入が相次ぐ可能性

ビジネスホテルやチェーンホテルといよりはゲストハウスやブティックホテルなどユニークなコンセプトや独自のデザインに強みを持つ小規模宿泊施設を中心に、需要過多で「入れ食い」状態にあるAirbnbへの参入が相次ぐ可能性が高い。

住宅宿泊事業の民泊も一定数は増えるとみられるがこれらの物件は申請に時間がかかる。その一方でホテルや旅館業の営業許可施設であれば、すでに掲載している楽天トラベルやBooking.comなどのOTAに加えてAirbnbを増やすだけだからだ。

既存の宿泊事業者がBooking,.comや楽天トラベルなどに掲載する際に利用されるサイトコントローラー(チャネルマネージャー)各社はすでにAirbnbへの対応を進めている。メトロエンジン株式会社が提供する「民泊ダッシュボード」では、Airbnbや複数のOTAとの在庫連携が可能だ。

これまではAirbnbと複数のOTAを連携して在庫管理を行うサイトコントローラーがなかったため、Airbnbへの掲載を躊躇していたホテルなどの宿泊事業者も多いだろう。

しかし、Airbnbの違法民泊全削除対応で、「Airbnbバブル」が到来した今、Airbnbを掲載先として追加するホテルや簡易宿所などの宿泊施設が今後増えていくことになりそうだ。