東京都中央区にある「中銀カプセルタワー」の一室をマンスリーマンションとして利用できるようにする「マンスリーカプセル」が2018年10月22日からスタートする。中銀カプセルタワーとは、建築家の黒川紀章が設計し世界で初めて実用化されたカプセル型マンション。
1972年に竣工されたこのビルは高さ2・5メートル、幅2・5メートル、奥行き4メートルのカプセル140個で構成される。
2015年9月に管理組合により民泊での貸し出しが禁止されるまでは、民泊仲介サイト大手のAirbnb(エアービーアンドビー)が発表する世界の人気宿泊先TOP40に日本で唯一選出されるほどの人気を誇っていた。
民泊としての貸し出しは禁止された一方で、社会貢献活動として売上の全額が寄付されるAirbnbの体験サービスを通じて、中銀カプセルタワーの案内ツアーに申し込みが入るなど、世界的にまだその存在感を失っていない。
そんな中、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトが、開始したのが1カ月からカプセルを賃貸できる「マンスリーカプセル」だ。マンスリーカプセルのコーディネートは、無印良品が担当。賃料は12万円で敷金・礼金なし、電気・水道料込で賃貸できる。
届出を行うことで民泊の営業を可能にする住宅宿泊事業法が施行されたが、マンスリーマンションとして貸し出すことで法的な問題はクリアしている。
中銀カプセルタワーは、Airbnbで人気を博すなど世界的にファンが多いマンションであるが、竣工から45年が経ち老朽化が目立つことから解体の危機も迫っていた。
一方で、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトは、本建物の見学ツアーや、利用されていないカプセルをリノベーションして、それに投資をすることで保存活動に参加できる「カプセルファンド」の立ち上げを行うなどカプセル保全に向けた活動を行っている。