世界最大手のコミュニティ主導型マーケットプレイスのAirbnbは12月19日、大手旅行比較サイトである「トラベルコちゃん」及び「Travel.jp」との初のサービス統合を発表した。
「トラベルコちゃん」は、オープンドアが運営する旅行比較サイト、「Travel.jp(トラベル・ジェーピー)」はベンチャーリパブリックが運営する旅行比較サイトだ。今回、提携した2サービスは複数のオンライン旅行予約サイトの検索結果を比較横断できる「メタサーチ」と呼ばれるサービスを提供する2サービスになる。
メタサーチとは旅行の航空券・宿泊などを横断的に一括検索で最適な情報を表示させるサービスのこと。旅行業界ではホテル・航空券などの予約をするサイトをオンライントラベルエージェンシー(OTA)と呼ぶが、メタサーチはOTAを束ねるサイトに当たる。
Airbnbには集合住宅や別荘から、お城、木の上に建てられたツリーハウスまで、世界191カ国、3万4,000以上の都市のユニークな宿泊施設があるがこれらが、「トラベルコちゃん」と「Travel.jp(トラベル・ジェーピー)」から容易に検索できるようになる。
本サービス開始当初は、「海外ホテル」のみに限られるため、日本国内の4万6000件を超えるAirbnbのリスティングが検索できるようになったわけではないが、2017年の国会提出が見込まれる民泊新法により民泊が全国解禁となることから、日本でのサービス開始も秒読みとみられる。
本提携の大きな意味合いとは?
従来、ホテルを予約する場合、ExpediaやBooking.com、ホテルズドットコム、トリバゴ、楽天トラベル、じゃらん、一休.comなどのオンライン旅行会社(OTA)でを利用してホテルを予約した経験をお持ちの方も多いのでは無いだろうか?
Airbnbなどの民泊施設にへの宿泊を検討する場合、これらのOTAにはホテルや旅館しか掲載されていないことから、AirbnbやHomeawayなどの民泊サイトにアクセスして滞在先を探す必要があった。
しかし、今回の提携により「トラベルコちゃん」と「Travel.jp(トラベル・ジェーピー)」を利用すると、ホテルと民泊施設を比較しながら希望の滞在先を選択できるようになる。
従来ホテルにしか宿泊したことがなかった人に対して、Airbnbのリスティングがホテルと同列で比較検討できるようになる。Airbnbのホストにとっては露出が増えることで大きいメリットが得られる一方で、既存のホテル業界にとってはお客様を民泊に奪われかねない。
民泊ホストへの影響とは?
現段階では、「海外ホテル」のみに限定されることから日本国内に物件を持っている民泊ホストに直接的な影響はないものと見られる。しかし、民泊新法で法整備が整えば、「国内ホテル」も解禁すると見られ、その際には大きな影響があると見られる。
少なくとも、Airbnbホストにとっては「トラベルコちゃん」や「Travel.jp(トラベル・ジェーピー)」の利用者を得る機会が持てることからメリットが多いいだろう。一方で、既存のホテル・旅館業界にとっては、利用者を民泊施設に取られる恐れがあることに注意しておきたいところだ。
Airbnbが提携した2サービスとは
トラベルコちゃん
トラベルコちゃんは、株式会社オープンドアが運営する旅行比較サイトで、350以上の予約サイトの旅行商品を一括で検索・比較することが可能なメタサーチ。海外・国内のホテルの宿泊プランやツアー、航空券、ダイナミックパッケージなど幅広い旅行商品を掲載しており、希望の条件での最安値商品を簡単に見つけることができる。また、旅行先の基本情報のほか、定番観光スポットから最旬のお店、危険エリアまで詳しい現地情報も提供している。
Travel.jp
『Travel.jp(トラベルjp)』は、国内および海外旅行の情報を専門に扱う国内最大級の旅行情報サイト。大手旅行会社を含む約200社が販売する厳選された100万件を超える格安航空券、国内外パッケージツアーをまとめて検索・比較することができ、また、国内約30,000軒および海外約100万軒のホテル・宿についても横断検索することができる。