民泊仲介サイト世界大手のAirbnb(エアービーアンドビー)はこのほど実施したウェブサイトのリニューアルで、「レストラン予約」サービス強化することがわかった。
これまでのAirbnbトップページでは「宿泊先」か「体験」のいずれの選択肢しかなかったが、このほど行われたウェブサイトの刷新を境に、「宿泊先」と「体験」に加えて「レストラン」が加わっている。
Airbnbは、2017年後半にレストラン予約サービスを開始することを発表していたが、表立ったプロモーションは行われていなかった。今回のウェブサイト刷新を機に「レストラン予約」を本格的に拡大させる考えのようだ。
Airbnbのレストラン予約は、現在日本国内のレストランには対応しておらずアメリカの都市に限られるが、アメリカのレストランであれば日本人でも予約可能。
ホテルや民泊などの宿泊先をカバーするAirbnbが、滞在先周辺の「食」の予約にまで手を伸ばすことによる影響はレストラン業界にとって大きそうだ。
滞在先の「レストラン予約」をシームレスに
Airbnbの「レストラン予約」は、探したいエリアや滞在先のホテル周辺でのレストラン検索から、予約まで行うことができるサービス。Airbnbが2017年初めに1,300万ドルを出資したレストラン予約「Resy」とのパートナーシップにより実現した。
一般的なオンラインレストラン予約サイトと同様にレストランの写真と詳細が一覧で表示されるが、Airbnbユーザーによる実名の口コミがみられる点はAirbnbならでは。
すでにAirbnbでの滞在先が決まっている場合は、Airbnbの画面からシームレスにレストランの予約ができるだけではなく、旅程表にレストラン情報を追加することもできる。
Airbnbの「レストラン予約」は2017年後半のリリース当初は、アメリカの一部都市のみに限られていたが、現在はフランスやスペイン、イギリスなどにも対応エリアを拡大している。
旅行サイトによる相次ぐ「レストラン予約」の買収
Airbnbは、レストラン予約サイトの「Resy」への出資により、レストラン予約サービスを開始しているが、このような動きはOTAを中心に増えている。Booking.comなどを展開するBooking HDは、2014年にレストラン予約サイトの「Open Table(オープンテーブル)」を買収。
ヤフートラベルなどを展開するヤフーは、ホテル予約サイト「一休」やレストラン予約サイト「一休レストラン」を展開する一休を1000億円で買収。
また、「じゃらん.net」などを展開するリクルートHDは、ヨーロッパの大手レストラン予約サイト「Quandoo(クアンドゥー)」を2015年に買収している。
中国最大手のオンライン旅行サイトの「Ctrip(シートリップ)」も2018年初めにOpen Tableと提携を行うなど、旅行関連サービスによるレストラン予約の買収や提携が相次いでいる。
Airbnbも、民泊やホテルなどでの宿泊に加えてレストラン予約の領域にも幅を広げ「民泊」のプラットフォームから「旅行」プラットフォームへの脱却を加速させる。