Airbnb(エアビーアンドビー)は現地時間9月6日に、米サンフランシスコ市にてホスト側からオンライン上で物件の登録が可能となるシステムの導入を開始したことを明らかにした。
サンフランシスコでは民泊物件数の増加に伴い、サンフランシスコ市が去年夏に全てのホストに対して本人による直接の手続きを通して市に登録するよう求める新たな条例を制定。しかし市への物件登録プロセスには5,500円の費用がかかるほか全ての書類を本人が直接提出することを求めており登録が進まない状況が続いていた。
Airbnbは住宅の短期貸し出しを規制する市の規制について同社誕生の地であるサンフランシスコ市を相手取り訴訟を起こしていたが、今年5月に市とともにオンラインの「パススルー」システムを設けることで和解に達した。
「パススルー」システム導入によりAirbnbホストは、短期住宅賃貸証明書、事業者登録証の申請をAirbnbサイトからオンラインで直接サンフランシスコ市に登録できるようになる。
本メディアの調査によるとすでにAirbnb.jpの日本語サイト上からもサンフランシスコ内にリスティングを開設する場合、サンフランシスコの登録要件に関するページが表示され、1回30泊以下の短期貸し出しについては市にリスティングの登録必要な旨の表示が日本語でされるようになっている。
パススルー制度はAirbnbが市と連携して、新規ホストの登録に必要な情報を当局に提供またはそのまま渡す制度でありシカゴ市でも前例が、市とAirbnb間で大規模な開発が必要になるため実施が困難になる場合もある。
Airbnbは、「新しい登録ツールはサンフランシスコ市へのホスト登録が簡単にできるようになり、今後の完全導入に向けて市の関係者とも緊密な協力関係を築く予定である」と述べた。
サンフランシスコは行政対応のロールモデルとなるか
Airbnbは2016年ホームシェア改革を推進する一つの取り組みとして、近隣住環境の質を確保するためのホームシェアに関するルールや規則に違反したことで法執行機関から出頭命令を受けたサンフランシスコのホストに対し、Airbnbプラットフォームの利用を禁止する「三振即アウト」ポリシーを提言。
このポリシーに従い、州や地元、または連邦の法執行機関から繰り返し罰金が科されたり、処罰されたりしたホストは、Airbnbの利用を恒久的禁止されるとなる。Airbnbは他の市場でも本ポリシーを導入できるように、積極的に取り組んでいる。
サンフランシスコ市とAirbnbは連携することでオンライン登録化を実現させたが、これらは日本を含めた諸外国のロールモデルとなるのが今後も注目したい。