民泊サイト世界最大手のAirbnbは、民泊における社会課題解決の可能性について東京大学と共同研究を開始することを発表した。
現在、日本で空き家問題や宿泊施設不足が懸念される中、年内に民泊新法の制定が予定されており民泊に注目が集まっている。今回の共同研究は、民泊が交流人口の増加や新産業開発の切り口として、こうした日本が抱える社会課題を解決する糸口を見つけることを目的とし、都市再開発、空き家対策、地方創生、中心市街地活性化等においていかに活用できるかを研究する。
現在想定している研究は以下の5つとなる。
①民泊の定義の明確化
②民泊を活用した都市再開発・空き家対策・地方創生・中心市街地活性化手法の検討
③民泊の地域への効果的な導入において必要となるサービス・技術開発
④メガイベントや災害など非日常時における民泊の効果的な活用方法
⑤上記の取り組みが進んだと仮定した場合の2020年における経済波及効果予測
この研究により、民泊が日本に定着することで想定される市場規模と具体的な解決策を地方自治体の将来計画策定や同市場に参入しようとする企業に対する知見として提供する予定である。約20社の様々な業種(ITサービス業、金融業、建設業等)のオブザーバーによる討議を開始し、2017年5月に中間報告、2018年2月に最終報告を行うという。
共同研究相手となるのは、都市計画論研究を専門とする城所哲夫研究室と、既存インフラを有効活用する研究を行う大月敏雄研究室の2チーム。
Airbnb Japan代表取締役、田邉泰之氏は「釜石市・吉野町などと日本のコミュニティと共同した取り組みをスタートしています。ホームシェアを日本の社会課題解決に貢献する形での活用可能性について、東京大学の両教授および日本を代表する様々な企業による共同研究を通じ、検討できることを嬉しく思います」と述べた。