「キャッシュレス・消費者還元事業」(ポイント還元事業)とは、消費税10%への引き上げ後の一定期間に、中小・小規模事業者が提供するキャッシュレス手段を使った支払いに対して、最大5%のポイント還元や決済端末費用の負担等で事業者を支援する事業。

キャッシュレス・消費者還元事業の内容は大きく分けると「消費者へのポイント還元」「決済端末等の導入の補助」「決済手数料の補助」という3つがある。

「消費者へのポイント還元」とは、具体的には加盟登録を行った飲食店や小売店などでキャッシュレス決済をすると、5%のポイント還元(大手フランチャイズチェーン店では2%のポイント還元)を受けられるもので、実質的な消費者の支出が軽減され、景気悪化の防止を狙う。

「決済端末等の導入の補助」とは、QRコードやクレジットカードなどキャッシュレス決済端末の導入にかかる費用を国が補助するもの。キャッシュレス決済の導入に必要な決済端末等の導入費用の1/3を決済事業者が負担することを前提に、残りの2/3を国が補助する。

「決済手数料の補助」とは、加盟店手数料率(小売店などがカード会社に支払う手数料率)を3.25%以下へ引下げることを条件とし、更に国がその1/3を補助するというもの。

これらの3つのキャッシュレス・消費者還元事業を通じて国は、中小・小規模事業者における消費喚起を後押しするとともに、事業者・消費者双方におけるキャッシュレス化を推進していく考えだ。

決済事業者向けパンフレット(経済産業省)より

 

消費者への最大5%ポイント還元

1つ目の「消費者へのポイント還元」とは、2019年10月1日の消費税率引き上げ後から2020年6月までの9か月間で、消費者がキャッシュレス決済手段を用いて中小・小規模の小売店・サービス業者・飲食店等で支払いを行った場合、決済金額の最大5%を消費者に還元する事業。

ポイント還元の原資は国がキャッシュレス決済事業者に補助金を拠出し、キャッシュレス決済事業者が消費者にポイントを発行する仕組み。消費者還元の対象となる支払い方法は、クレジットカードやデビットカード、電子マネーのほか、昨今存在感を高めつつあるQRコード決済も対象だ。

10月1日以降、お店でキャッシュレス決済を行うと、会計額の5%の還元を受けられる一方で、現金で支払えば5%の還元は受けることができないため、これまで現金主義を貫いてきた利用者もキャッシュレス決済への切り替えが予想される。

注意すべきなのは、全ての小売店・サービス業者・飲食店等で最大5%のポイント還元が受けられるわけではなく、事前に加盟店登録を行った事業者が対象となるという点だ。

昨今、100億円キャンペーンなどで注目を集めるQRコード決済サービスの「PayPay」やLine Payなども補助金事業の対象事業者となっており、これらの対象事業者からの申し込みがスムーズだ。

加盟店登録の手続きには2か月程度要するため10月1日までに登録を完了するには、2019年7月末までの申し込みが推奨されている。QRコード決済サービスの「PayPay」では、新規申し込みと決済で最大10,000円の特典をもれなく付与するキャンペーンを8月31日まで実施している。



キャッシュレス決済端末等の導入の補助

2つ目の「決済端末等の導入の補助」とは、QRコードやクレジットカードなどキャッシュレス決済端末の導入にかかる費用を国が補助するもの。キャッシュレス決済の導入に必要な決済端末等の導入費用の1/3を決済事業者が負担することを前提に、残りの2/3を国が補助する(フランチャイズチェーンは対象外)。

本制度に参加する各決済事業者が提供するものとして、キャッシュレス決済端末やこれに付属する機器、システム利用料やタブレット、スマートフォンも対象で自己負担はない。

なお、決済端末等の導入の補助については、「軽減税率の対象となる飲食料品等を販売していない事業者」が対象となるため、飲食店などは対象外になる。

ただ、飲食店など(飲食料品等を販売し軽減税率対応が必要な事業者)がキャッシュレス決済システムを導入したい場合は、また別の補助金制度である「軽減税率対策補助金」で決済端末導入にかかる補助を受けることができる。

「軽減税率対策補助金」の決済端末等の導入補助では、必要な経費の1/4を中小・小規模事業者が負担、残りの3/4を国が補助。複数税率対応のレジ本体、レジに付属する機器 (決済端末を含む)、設置に要する経費が対象となる。

複数税率対応のレジに併せてキャッシュレス決済端末等も導入したい場合は、軽減税率対策補助金かキャッシュレス・消費者還元事業のどちらの制度を活用するかを選択できる。

キャッシュレス決済端末の支援について(経済産業省)より

 

キャッシュレス・消費者還元事業の事業者メリット

キャッシュレス・消費者還元事業に加盟店登録することで、事業者にはどんなメリットがあるのだろうか。まずは「消費者へのポイント還元」により、利用客はキャッシュレス決済で、5%、大手フランチャイズチェーンは2%のポイント還元を受けることができる。

消費税の増税分は2%となるが、5%の還元が行われれば実質的には増税前よりも負担が軽くなる。さらに食料品は軽減税率が適用もあるため消費税は8%に据え置きのままポイント還元を受けることができる。

加盟店登録していなければ、最大5%のポイント還元を受けることはできないことから「5%の還元が受けられる」というのは、競合差別化の一つになると言えるだろう。

また、クレジットカードなどで利用者が支払った場合、加盟店手数料(小売店などがカード会社に支払う手数料)を支払うのが一般的であるが、加盟店登録を行った場合、期間中は決済手数料が3.25%以下の場合は手数料の1/3を国が負担する。

さらに、この施策に伴ってキャッシュレス決済端末を導入する場合、決済事業者が導入費用の1/3を負担し、さらに2/3を国が負担するため、実質的な端末導入時の費用は発生せず、事業者への負担は無いなどメリットは多い。

加盟店登録の手続きには2か月程度要するため10月1日までに登録を完了するには、2019年7月末までの申し込みが推奨されている。QRコード決済サービスの「PayPay」では、新規申し込みと決済で最大10,000円の特典をもれなく付与するキャンペーンを7月31日まで実施している。

 

キャッシュレス決済を新規で開始、切り替えの場合

キャッシュレス決済を新規あるいは切り替えをご希望の場合は、キャッシュレス・ポイント還元制度に登録されたキャッシュレス決済事業者に連絡を行うことで、加盟店手続きを行うことができる。

キャッシュレス決済としては、QRコードやクレジットカードなど様々なや手段があるが、今特に注目度が高いのがQRコード決済だ。100億円キャンペーンで注目を集めたPayPayや、Line Payが全員にあげちゃう300億円祭など大手各社が顧客獲得に力を入れているためだ。

PayPayは、7月18日に登録ユーザーは900万を突破、申し込み加盟店数も70万まで拡大しているほか、先行するLine Payは、2019年度はグローバルで、MAU 1,000万人(月間アクティブユーザー数)を目指している。メルペイも登録者を200万人にまでに拡大するなど猛追している。

QRコード決済各社、新規ユーザー獲得に向けて大規模なプロモーションコストをかけていることから、「キャッシュレス・消費者還元事業」に関係なく、独自ですでに大規模な割引サービスを展開している。

特に、PayPayとLine Payについては、AlipayやWechat Pay(※Line Payのみ)にも対応。昨今、訪日外国人が増加しているが、QRコード決済を導入すると、中国で最も利用されている決済サービスも同時に導入できる点は心強いと言えるだろう。

 

加盟店登録の申請の流れ

多くのキャッシュレス決済事業者では、専用のWEB申請フォームから申請する形が主流。申請手続きの詳細についてはキャッシュレス決済事業者から進め方に関する連絡がある。

▼対象の事業者・取引内容であることの確認
対象事業者および取引内容に該当しない場合、ポイント還元の対象にならないため、ご確認をお願いいたします。

▼必要情報
申請する際に、会社や事業所の住所・連絡先等のほか、下記の情報が必要になるため、あらかじめご準備ください。
キャッシュレス決済事業者によっては、必要情報が異なる可能性もあります。

・経済産業省から発行された加盟店ID(すでに発行済みの場合)
・資本金(個人事業主は「0」と記載)
・従業員数(アルバイト・パートも含む)
・直近3年間の課税所得(税引き前利益)(実績がない場合は「0」と記載)
・事業所年間売上高



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