中国、27日から日本を含む海外への団体旅行を禁止へ インバウンド市場に甚大な影響の恐れ

中国メディアのCCTVによると、中国政府は国内の旅行会社に対し、日本を含む海外への団体旅行を 27 日から中止するよう指導したと報じた。中国国内の団体旅行は 24 日から中止しているが、日本を含む海外旅行も禁止とする。なお、終了日は明らかとなっていない。

中国・武漢市では、2019 年 12 月以降、新型コロナウイルス肺炎が猛威を振っており、日本国内でも1月 15 日に、武漢市に滞在歴がある肺炎患者から新型コロナウイルスが検出されるなど影響が出ている。

25日から始める旧正月の連休では、何百万人もの中国人が国内外を移動する。今回の処置は、2003 年に流行した重症急性呼吸器症候群 SARS に匹敵するウイルスの拡大を食い止めるための異例の処置だ。

日本政府観光局(JNTO)によると、2019 年1月から 12 月までの訪日客数累計は 3188 万人で、前年伸び率は 2.2% の増加だった。日韓関係悪化の影響で日本を訪れる韓国人観光客が前年比 25%減と大幅に減少する中、訪日客の伸びを支えたのが中国人観光客の増加だ。

2019 年の中国からの訪日客は韓国からの訪日客数を抜き、前年伸び率 15% となる 959 万人だった。中国からの訪日客は全体の3割を占めることから、中国政府による日本への海外旅行禁止は日本のインバウンド市場に甚大な影響を与える恐れがある。

すでにほ東京都内のホテルでも「25日から予約のキャンセルが相次いでいる」(ホテル関係者)という声もあり、今後さらに宿泊予約のキャンセルなどの影響が出てくるとみられる。



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