「ecbo cloak(エクボクローク)」を展開するecbo株式会社は、大阪エリアへの進出を発表した。同社は手荷物を一時預かりするシェアリングサービスのプラットフォームを運営。大阪では国内で3カ所目となるサービスの展開だ。
ecbo cloakは、荷物を預けたい観光客らと、荷物を預かることができる店舗などをつなぐシェアリングサービス。利用者は複数の旅行先などの拠点で手荷物を預けることができ、コインロッカーには収納できない大型のスーツケースにも対応できるなどの利便性もある。一方、店舗経営者にとっても、カフェなどの店舗の空きスペースを有効活用でき、新たな収入源を確保できる。既存の店舗のPR効果なども期待できる。
大阪のecbo cloakは、観光客が大勢集まる道頓堀沿いにある複数の店舗が加盟。観光案内所の「LINE-UP INC.」、黒門市場近くでたこ焼き体験ができる民泊カフェ「ええ庵インフォメーションカフェ」など、観光とリンクした業種が参入している。このほか、心斎橋の本格中華料理店「大成閣」、てんぷら店の「旬菜鮮魚てつたろう梅田中崎町店」などの飲食店関係も多い。
珍しい加盟店としてecbo cloakでは、初のメイドカフェ「マジックアップル」や平日のみ開放している休憩スペースで、快適な魔法のソファを体験できる「Ypgibo Store御堂筋本店」なども加盟している。旅行関係や飲食店以外にも、幅広く業種の加盟が増えてきている。
政府は2020年の東京五輪開催までに、年間で訪日外国人4000万人の目標に上方修正した。ecbo社では外国人旅行者らに、ソフト面のサービスを提供し、快適な旅行をしてもらうことを目的に事業をスタートさせた。ecbo cloakは、 2017年1月に東京でサービスを開始後、4月26日に京都でも拠点を開設している。
同社は2015年6月に工藤慎一社長が設立。東京の渋谷で工藤社長が、外国人旅行者とスーツケースを預けるコインロッカーを探したことがきっかけになり、起業に至った。旅行者の目線で考えたサービスが、手荷物を一時預かりするecbo cloakの世界初のシェアリングサービスの発想につながった。
同社では今後、ecbo cloakを通じて、2017年度内に全国10,000店舗の加盟を目指している。「訪日外国人旅行者がストレスなく、快適に観光を満喫できる環境整備をしていく」(ecbo社)としており、大阪に続いて福岡、名古屋、北海道などの全国主要都市に進出を計画。さらにiOS/Androidなどのアプリを開発で利便性を向上させていく考えだ。