欧州のオンライン旅行サイトの「eDreams Odigeo(eドリームズ・オディジェオ)」は、旅行サブスクサービスのPrime(プライム)が好調だ。これまでフライトのみだったサブスクサービスにホテルを加え、2023 年までには 200 万人の会員を見込んでいる。
eDreams の Prime は現在、フランス、イタリア、スペイン、ドイツで導入しており、今後はポルトガルや英国などでの導入も視野に入れている。将来的には、交通手段やホテルを自由に組み合わせて予約できるダイナミックホリデーパッケージやレンタカーなどの取り扱いも始める予定だ。
すでに数社の旅行会社がサブスクサービスの扱いを始めているものの、さほどの成果は上がっていない。eDreams のPrime会員による予約は、イタリアとフランスでそれぞれ全予約の26%と22%を占め、両市場で約3分の2の会員が更新しているという。
Prime のコンセプトは比較的シンプルだ。すでに導入されている国々の利用者は、年間約6,500円(約55ユーロ)を支払うと、航空券(フランスではホテルも)1年間会員専用のディスカウントを受けることができるというもの。約 11,000 円(100ユーロ)から約 23,000 円(199ユーロ)までのフライト予約の場合、平均 6,500 円(40 ユーロ)の割引を受けられる。
また会員は、目的地による制限はなく、会員ではない友人との旅行も対象となるほか、1年間すべての日時で割引を受けることもできる。旅行を定期的にするユーザーにとって注目のサービス内容となっている。
サブスクサービスが旅行分野でも拡大傾向
eDreams が提供する旅行定額サービスは会員費用を支払うことで割引を受けることができる旅行サブスクサービスであるが、旅行業界では他にも様々な形のサブスクサービスが登場しつつある。
米国デンバーを拠点とする高級ホスピタリティ企業のInspirato(インスピラート)は、リッツカールトンなど5つ星高級ホテルのサブスクリプションサービスを提供。
「Inspirato Pass(インスピラート・パス)」と名付けられたラグジュアリーな旅行を後押しするサブスクリプションサービスでは、月額約 26 万5千円(2,500 ドル)で、ラグジュアリーなバケーションレンタルや5つ星ホテルを予約できる。
5つ星ホテルには、ザ・リッツ・カールトンホテルやマンダリン・オリエンタル、パークハイアットなどの5つ星ホテルも含まれ、このような5つ星高級ホテルに頻繁に利用される方にとっては注目のサービスだ。
2018 年に 19億円の資金調達をしている有料会員制のホテル予約サイト「Bidroom」では、有料の会員になると他OTAに掲載されている宿泊料金の5%から最大25%の割引料金で予約できるホテル予約サイト。
オンライン予約サイトでは、当たり前ともなっている予約ごとにかかる手数料を一切ホテル側から徴収しないのが大きな特徴で、利用ユーザーから年会費を徴収することで5%から最大で25%のディスカウント率を保証するビジネスモデルとなっている。
オンライン予約の普及とともに、様々な形のサブスクリプションが旅行業界にも登場しつつある。このようなサブスクリプションサービスが旅行業界に浸透する時が来るかもしれない。
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