中国で映画館とホテル融合させたホテルを展開する「Film Hotel(有戏电影酒店)」はこのほど、IDG Capitalが主導するシリーズAの投資ラウンドで、数億円規模の資金調達を完了したと発表した。
Film Hotelはホテルに泊まりながら本格的な投影設備が導入されている部屋で映画を鑑賞できるホテルで、現在は中国で30のホテルを運営している。
ミドルクラスホテルの各部屋に1080pフルHDの大型スクリーンと5.1chのスピーカーを設置。ホテルの客室にいながら、劇場で鑑賞しているような体験ができる空間となっている。
Film Hotelによると今回の投資ラウンドで調達した資金は、新しいホテルの建設や設備のアップグレード、人材確保などに利用。今年中に200のホテル開業を目指している。
Film Hotelは、たんに映画のオンデマンド配信サービスに限らず、China Film Group Corporationといった現地の映画配給会社と提携し、映画館の上映作品を客室にも配信。ほかにも、同社は映画のオンデマンド配信に加えて、映画グッズの販売店の運営も行っている。
映画館とホテルを融合させた宿泊施設は日本でも登場しつつあるほか、Netflixといった動画配信サービスの導入を行うホテルも増えてきている。Film Hotelの取り組みは、映画配給会社の提携など本格的な「映画館ホテル」と言えるだろう。
同社によると、現在営業しているホテルの宿泊料金は1泊、400~900元(6,600~15,000円)で平均稼働率は9割を超えているという。
2019年にはさらに200店、2020年には500店と展開させていく計画で、今後は、顔認証チェックインや高いセキュリティを備えたスマートホテルの「Film Hotel 2.0」という新ブランドの展開も発表している。
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