米インターネット通販大手Amazon(アマゾン)は、インドで国内線の航空券予約の受付を開始したことを明らかにした。過去には、宿泊予約サイトの運営するなどこれまでも旅行ビジネスへの参入を試みたAmazonであるが、フライト予約で再進出を狙う。
アマゾン(Amazon)は、航空券予約を扱うにあたり、インドのオンライン旅行会社のクリアトリップ(Cleatrip)をパートナーに、インド国内便の提供を開始。プライム会員などの顧客にチケット代の一部をキャッシュバックするキャンペーンも展開し利用者の拡大を図っている。
リリース当初の取り扱い航空会社は、ヴィストラUK(Vistara UK)、ゴーエア(GoAir)、スパイスジェット(SpiceJet)、インディゴ(Indigo)。アマゾンサイトからフライトチケットをを購入したユーザーは、48時間以内に最高で約3,100円(2,000ルピー)のキャッシュバックをアマゾンペイ(Amazon Pay)で受け取れる。
インドでは、キャッシュバックはeコマースサイトがユーザーなどを獲得するためによく使われる手法。アマゾンを介した飛行機チケットの場合、プライム会員は約3,1000円(2万ルピー)以上、非会員は約2,500円(1,600ルピー)の購入者がキャッシュバックの対象となる。
ショッピングに加えてフライト予約もAmazonで
Amazonのフライト予約サービスは、Amazon IndiaのAmazon Payページにて表示されているフライトアイコンから利用することができる。なお、リリース時点ではインドのAmazonユーザーを対象にしたものであり、日本のAmazonでは利用することはできない。
Amazonでのショッピング体験に満足している顧客からは、Amazonがより多くのサービスを提供することに対するニーズが高まっている。このローンチにより、顧客はショッピング、送金、公共料金の支払い、モバイルチャージに加えて、国内航空券の予約がすべて一つのアプリでできるようになる。
Amazonで航空券を予約する場合は、すでにAmazonの利用ユーザーであれば、既に登録されている個人情報や支払い情報を利用でき、これらの入力の手間を省くことが可能。
顧客がチケットをキャンセルする必要がある場合、Amazonは追加料金を課さず、航空会社のキャンセルペナルティを支払うのみにとどまる。
Amazon、過去に旅行ビジネスから撤退も 再参入で挽回なるか
今や、インターネット通販という枠を超えて「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる巨大IT企業の一員ともなったAmazon。インターネット通販のイメージも強い同社ではあるが、実は過去に旅行ビジネスに参入していたことがあったことをご存じだろうか?
2015年初頭にはクーポン共同購入サイトの「Amazon Local」にホテルのリスティングを追加、2015年4月には「Destinations」という名称でホテル予約サイトを開始した。
その後提供エリアを増やしピーク時には35都市で展開するまでになっていたが、2015年10月に突如としてサービスを停止。年末には競合の「Groupon(グルーポン)」に敗北した格好で「Amazon Local」も閉鎖していた。
リリース当初は、既存のOTAを脅かすのではと予想されたものの、理由を明らかにしないままホテル予約事業から撤退したAmazon。アメリカのオンライン旅行市場はExpedia(エクスペディア)とBooking.com(ブッキングドットコム)の独壇場に入り込めなかったのが原因だとみられる。