民泊最大手のAirbnbは、マンションオーナーが入居者にAirbnbでの貸し出しを認めると売上の5%〜15%が入るプログラム「Friendly Buildings Program」を開始したとウォールストリートジャーナルが報じた。
日本国内で3万件以上の民泊施設があるが、「転貸禁止」の物件を借りてAirbnbに出しているホストも多い。「民泊」自体は10月には民泊ドラマの放映も控えるなど世間からの注目が集まっているが、その一方で「民泊禁止」を打ち出すマンションも東京、大阪を中心に増えていた。
不特定多数の外国人が出入りすることによるセキュリティ上の問題やゴミの分別が正しくできていないなどのゴミ問題、騒音問題などのためだ。
マンションオーナーが「Friendly Buildings Program」に参加すると、専用のダッシュボード上から、賃貸ホストがいつホスティングしているのか、何人のゲストが滞在しているのか、それによりいくら稼いだのかを知ることができるようになる。
またマンションオーナーは、「当該物件のうちX物件を上限X日間までの利用を認める」といったルールやペット不可といった独自ルールを設定することができる。そのマンションで民泊をするホストは全員がこのルールを守らなければならない。
さらには、民泊許可物件として民泊に興味を持つホストを魅了することができ空室率の解消にも貢献するという。
日本において、民泊禁止のマンションが増えているのは、(賃貸マンションで行われる民泊の場合)そのマンションオーナーや近隣住民にはなんらメリットがないためだ。
「Friendly Buildings Program」によりマンションオーナーへホストのAirbnb売上の数パーセント還元することができるようになれば、オーナーにとっても民泊を許可するメリットも出てくる。
ただ日本においては、民泊の営業には簡易宿所の許可か特区民泊の認定が必要でありオーナーが民泊の運営許可にしたからといって合法的に民泊を運営できるという意味ではない。
「Friendly Buildings Program」の開始が直ちに日本の民泊市場に大きな影響は与えるわけではないが、今後民泊が広がる上で重要な仕組みとなるかもしれない。
《関連サイト》
Airbnb Offers Landlords an Incentive
Airbnb Friendly Buildings Program