対話型AIコミュニケーションツールの「チャットボット」について、技術的には不十分な側面を感じつつも約8割の消費者が、その利用を前向きにとらえているー。
Uberallが米国1,000人以上の成人に対して行った調査で明らかになったのは、チャットボットと対話したことがある人の80%は、ポジティブに捉え、回答者の14%は非常に高い評価を持っているという調査結果だ。一方で、非常に否定的な意見はたった4%だった。
ロケーションマーケティングプラットフォームを展開するUberallの共同CEO兼共同創業者のFlorian Huebner氏は「本調査結果が企業のマーケティング担当者に対して意味することは、消費者がチャットボットとやりとりをすること自体が、企業やサービスにとって価値があるということだ」と述べた。
その一方で、回答者の36%はチャットボットの正確性について改善が必要であると考えているとの結果も。チャットボットについては、まだ改善が必要な部分はあるものの、概ねポジティブな人が多いようだ。
Expediaもチャットボット導入に前向き
オンライン旅行会社大手の米エクスペディアグループ、マーク・オカストロム最高経営責任者(CEO)はチャットボットを今後数年以内に導入する考えがあることを明らかにした。
「旅先に関する写真を見て、人々と関わりを望む旅行者もいる一方、ホテルはAIを活用して基本的な質問に回答できればコストカットも可能だ」と語り、チャットボットの導入に前向きだ。
Expediaでは、プールの有無やビーチまでの近さを確認したいと考えるユーザーに対して、スマートフォンに質問したり、テキストメッセージを送信するだけで、AIがこれらの質問の回答をサイト上に表示させるサービスなどを検討している。
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消費者の38%がクーポンや販促にチャットボットを使うべきと回答
調査結果によると、消費者が考えるチャットボットの最良の利用方法は、クーポンやプロモーションであり、38%がチャットボットでのオファーを見たいと回答した。
現在、チャットボットが最も利用されているカスタマーサポートは消費者から一定の支持を得ているが、クーポンやプロモーションの38%より少ない31%にとどまっている。
カスタマーサポートでのチャットボット利用は、ユーザーから寄せられる様々な質問に対して、的確な返答をしなければならない。
一方で、クーポン等の配布では、ユーザーはメリットを感じることができるとともに、サービス提供側は顧客と積極的なかかわりを持つことができる点は魅力的だ。
今回の調査で消費者はチャットボットを前向きに評価していることが分かり、また売上を上げるための手段としての可能性が感じられる結果となった。