外国人宿泊客の伸び率2桁超え、地方も好調

観光庁が発表した宿泊旅行統計調査(第2次速報)によると、2015年6月から2017年5月までの延べ宿泊者数(前年同月比)は、今年4月時点で対前年比3.5%増の3,968万人泊を記録。4月としては異例の伸びを示す結果となった。

そのうち日本人は対前年比0.8%増の3,182万人泊、訪日外国人は16.0%の786万人泊であった。この訪日外国人の宿泊数は、観光庁が調査を開始して以来4月に限って言えば過去最高の記録を叩き出したことになる。

4月に引き続き5月も好調だ。宿泊旅行統計統計調査(第2次速報)によると全体が5.8%増の4,237万人泊、日本人が4.1%増の3,594万人泊、訪日外国人が16.1%増の643万人泊であり、特に訪日外国人の伸び率は連続して2桁増となった。

出典:宿泊旅行統計調査

4月の訪日外国人の宿泊者数を地域別に見た場合はどうだろうか。三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫)では対前年比15.2%増であったのに対し、それ以外の地方ではその記録を上回る17.2%増となっている。

また、4月の客室稼働率は全体で59.9%で、シティホテル13箇所、ビジネスホテル6箇所、リゾートホテル3箇所がある都道府県では稼働率80%を超えるところもあった。

大阪は相変わらず人気の高さを誇っており、全体で87.2%、シティホテルは92.8%、リゾートホテルは91.2%、ビジネスホテルは89.3%と、他の都道府県に比べ際立って好調な数字を見せている。ビジネスホテルは愛知県と京都府、広島県、奈良県。リゾートホテルは、東京都、奈良県が稼働率8割以上という高い稼働率を示している。

 

訪日外国人の増加とともに大切なこととは?

4月に引き続き5月も外国人宿泊者数は非常に好調な伸びを示しているが、受け入れ環境の整備や公共交通機関、美術館などでの多言語対応など売れ入れ側の準備も大切だ。

そこで政府は、来たる東京オリンピックに備え新たな観光ビジョン『明日の日本を支える観光ビジョン』を策定。訪日外国人観光客がストレスなく、快適に日本観光を楽しめるような環境整備に向け、政府一丸となった対応を加速する。

急激に増加する訪日外国人による宿泊ニーズにあわせ、「宿泊施設インバウンド対応支援事業」、「交通サービスインバウンド対応支援事業」、「地方での消費拡大に向けたインバウンド対応支援事業」を対象として補助金を交付。公共交通機関など訪日外国人観光客が快適・円滑に移動できることを目的とした多言語対応の改善・強化も加速させる。

2020年までに政府は訪日外国人観光客4,000万人を目指すが、その数を増やすことだけにとらわれず、日本を訪れた外国人観光客は必ずリピーターとなるような受け入れ環境の整備も大切だ。



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