日本政府は、ビジネス目的で 72 時間以内の滞在に限定される「超短期滞在者」について、一定の条件のもとで受け入れを再開する方向で調整入りしたと読売新聞が報じた。
報道によると、中国や韓国、台湾など経済的に結びつきが強い国・地域を対象に 11 月中にも実施するという。日本との経済的な影響度が大きい国とのビジネスを促進し、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ経済の立て直しを狙う。
複数の政府関係者が明らかにしたところによると、受け入れ再開に際しては、PCR 検査の実施、公共交通機関の不使用、活動行動計画書の届出などを条件に入国後のホテルなどでの待機措置は免除する見通しだ。
超短期滞在を認める国・地域についは、ビジネス目的の訪日客が多い中国や韓国などの 30 か国・地域を想定。中国では、新型コロナウイルスの国内症例がゼロの日も続くほか、韓国でも 100 人前後の新規感染者にとどまっている。
一方で、30 か国・地域に含まれるアメリカでは、10 月に入り 1 日の新型コロナウイルス感染者が 7 万人を超えるなど感染が急拡大している。このため、日本政府は対象の国と地域ごとの感染状況を踏まえながら、最終的な対象国・地域と受け入れ条件を決定する考え。
外国人観光客の受け入れ再開を本格検討も 2021 年 4 月から
政府は 2021 年に開催される予定の東京五輪・パラリンピックを前に、外国人観光客の受け入れ再開に向け本格検討のフェーズに入っている。
「ジャーニー」と呼ばれる検討案では、訪日への渡航を希望する外国人観光客に対し、各国の日本領事館などでのビザ取得時に、健康管理アプリのダウンロードを求め、出国前の検査で PCR 検査の陰性証明書の取得や民間医療保険への加入などを義務付ける。
その上で、入国時の検査で陰性が確認できれば、日本への入国ができるようになる見通し。ただし、入国後 14 日間は健康管理アプリを通じて健康状態の報告を求めるが、ホテルなどでの待機は免除する方針だ。
政府は引き続き国内外の新型コロナの感染状況を注視しつつ、2021 年 1 月に対応策を取りまとめ、2021 年 4 月からテスト的に外国人観光客の受け入れを再開する方針。インバウンド市場再開に向けた議論は着実に進みつつある。