日本政府は、シンガポールとのビジネス目的の往来を 9 月 18 日から再開すると発表した。日本との「ビジネストラック」の運用が両国間で合意に至ったのは、シンガポールが初めて。国際的な人の往来再開に向けた「重要な一歩」がスタートした。
茂木敏充外務大臣のシンガポール訪問(8 月 12 から 14 日)において、同国間で 9 月に「ビジネストラック」を開始することに合意。その後の協議・調整を踏まえ、9 月 11 日、両国の外相間で共同プレス声明を発出するに至った。
ビジネストラックは主に短期滞在者が、入国後 14 日間の自宅やホテル等での待機期間中も、行動範囲を限定した形でビジネス活動ができるスキーム。主に短期出張者によ利用を想定する。
国際的な人の往来再開については、7 月 29 日からタイとベトナム、9 月 8 日からは台湾、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマーとの間でも一部再開しているが、こちらは「レジデンストラック」によるもの。
レジデンストラックは、例外的に相手国又は日本への入国が認められるものの、相手国又は日本入国後の 14 日間の自宅等待機は維持されるスキーム。主に駐在員の派遣・交代等、長期滞在者向けとなる。
シンガポールとの間で 9 月 18 日に開始するのはビジネストラックによる運用となるが、レジデンストラックについても「早期の運用開始に向けて、引き続き調整を進めている」(茂木敏充外務大臣 9 月 11 日本省会見室)という。
出入国の規制緩和については、第一段階でビジネス人材、第二段階では留学生、最終段階で外国人観光客という「段階的緩和」の方針を示している。
9 月に入り、第一段階にあたるビジネス人材の緩和が本格化し始めており、このあと第二段階の留学生での緩和が進むとみられる。最終段階となる外国人観光客の受け入れ再開については、まだ時間がかかりそうだ。