京都市が2018年度から、宿泊税導入の意向を固めたことが明らかになった。8月7日付の日本経済新聞などが報じたもので、大勢の観光客が訪れることに着目し、新たな財源確保を狙う。門川大作市長は、9月の市議会に条例案提出の意向を明かした。
宿泊税導入をめぐっては、これまで有識者委員会で議論を重ねてきており8月7日に宿泊税の導入を同委員会で最終決定し、門川市長へ提案した。市議会で可決後、政府の承認を得るなどの流れを得て18年度から実施される運びとなる。宿泊税はインバウンド(訪日外国人)の増加にともない、約20億円の税収を目標にしている。
宿泊税の課税対象は、民泊を含むホテル・旅館などの全宿泊施設で利用者が負担する。税額は明らかにしていないが、宿泊金額に応じて段階的に税額を上げていくことを検討。宿泊税を先行導入している東京都や大阪府で課税していない1万円未満の宿泊料でも、京都市では負担を求めていく。ただし、修学旅行生は免除する方針だ。
東京都と大阪府の宿泊税との違いとは
東京都 | 大阪府 | 京都府 | |
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導入時期 | 2002年10月 | 2017年1月 | 2018年(予定) |
宿泊税 | 1万~1.5万円未満=100円 1.5万以上=200円 | 1万~1.5万円未満=100円 2万円未満=200円 2万円以上=300円 | 宿泊金額を問わない |
対象施設 | ホテル・旅館 | ホテル・旅館 簡易宿所・特区民泊 | ホテル・旅館 簡易宿所・無許可民泊 |
税収(17年度予算) | 24億円 | 11億円 | 20億円(予想) |
国際都市としても魅力を高めるとともに、観光振興のための事業などの費用当てられるものとなるが大阪では宿泊施設だけに税金を課すのは不公平だという反対意見も寄せられていた。一方で、京都市では宿泊税について市民へ意見を聞くパブリックコメントでは、賛成意見が多数を占めたという。
「京都ルール」ともいうべき独自の宿泊税導入にあたり、有識者委の委員長をつとめる田中治氏(同志社大教授)は「市民と入洛客(京都へ来る観光客)の双方が満足し、魅力ある都市をどうつくるか、という視点が強かった」(2017年8月7日付京都新聞)としている。
2018年4月をめどに施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)を控え、無許可の民泊への対策を強化する京都市では簡易宿所が16年3月末と比べると約2.5倍となる1,706件(2017年6月末現在)を数えるなど急増している。京都市は全国ではじめて無許可民泊を含めた全施設を対象とする宿泊税で、魅力ある都市作りにさらに力を入れるようだ。
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