【民泊】京都市が厚労省に緊急要請 24時間常駐化など

京都市の門川大作市長は8月8日、市内で無許可民泊が横行しているとして、改善策を厚生労働省に緊急要請したことをTBSなどが報じた。市にはこれまで約2,400件以上の相談や苦情が寄せられており、事態を重く見た門川市長は国の早急な対応を求めた。

京都市によると、2016年に京都市を訪れた修学旅行生が110万5,000人なのに対して、無許可民泊施設の利用者は110万人でほぼ同じ。年々増加する無許可民泊施設と利用者を抱え、住民との間でトラブルも増えていた。市によると、「夜間や深夜の騒音」「ごみ出しルールの不徹底」「共用施設・設備の破損や汚れ」などの相談やトラブルが多いという。

 

京都市、民泊管理者の24時間常駐などを求める

京都市は、民泊施設について従来のホテルとは異なり住宅地でも営業を行えることから住民の住環境に応じた宿泊者数の上限設定を求めるほか、近隣住民と昼夜を問わずトラブルが発生していることや不足の事態に備えた民泊管理者の24時間の常駐化を求める。

京都市では2014~16年の3年連続で5,500万人の観光客が訪れており、2016年の宿泊者は1,415万人(前年比3.9%増)の過去最多を記録した。宿泊者の増加と歩調を合わせるように無許可民泊も急増しており、民泊のデータ解析を専門に行うメトロエンジン株式会社の「メトロデータ」によると、2017年6月時点で4,452件の民泊物件がある。

無許可民泊が多いのは、国内を代表する観光地でありながら宿泊施設が少ないのが背景にある。2018年4月をめどに住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されるがこれに先立ち、市ではさまざまな対応を施して業界の健全化に努めている。8月中旬には「民泊通報・相談窓口」をPRするため、5万枚のチラシを作成していた。

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門川市長は「堂々と違法行為が今、まかり通っている。政令・省令・条令で担保するような制度設計が必要」(8月8日TBSニュース)と話している。民泊新法の施行を控えた京都市では、国との連携を取りながら無許可民泊施設に目を光らせていく。



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