京都市は近く、無許可の民泊営業の取り締まり強化などを目的とした独自の新しい条例づくりにとりかかる。門川大作市長が表明したもので、まずは有識者などによる検討会議で意見交換をして条例案をまとめたい意向だ。
2014年からの時系列民泊ビックデータを保有するメトロエンジン株式会社の「メトロデータ」によると京都市内の民泊物件数は、2017年7月時点のデータで5,100件(前年同月比137%)を超えており行政区別では下京区内の物件数(全体のうち24%)がもっとも多い。
下京区は京都最大のターミナル駅の京都駅を有するエリアで京都の玄関ともなっている場所である。民泊の密集度でみると下京区の京都駅周辺が非常に高い。新幹線の停車駅である京都駅に加えて、京都を代表する観光地へ向かうバス乗り場も多くアクセスが良いことから人気が高いと見られる。
また市内の民泊施設への宿泊者数は、2016年110万人にのぼるとみられており京都の修学旅行生数とほぼ同数規模にまで拡大している。物件数は右肩あがりに推移しており、住宅地での民泊営業も解禁する民泊新法施行後は今後も増えることは確実な情勢だ。
京都らしい民泊運営の推進を有識者らが検討
こうした現状をふまえるとともに、2018年6月に施行が見込まれる民泊新法を前に、京都市は独自の条例を制定する予定。
検討会議には、観光や住宅関連の専門家を招き、違法な民泊営業の取り締まりについて話し合うほか、京町家の一棟貸しやホームステイ型の宿泊を通して旅行者に京都らしさ体験してもらえる民泊運営の推進策などについても論じる。大川市長は「観光振興と地域住民の安心安全をふまえ、どのような条例が京都に調和するか」を検討していきたい考えだ。
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