大阪府 民泊の届出住宅数が2か月連続減少に転じる 民泊主要3都市で伸び率鈍化も地方で伸長

大阪府の住宅宿泊事業(民泊)の届出住宅数が 2019 年 10 月の 2,855 件をピークに2か月連続で減少していることがわかった。大阪府で最も民泊が集中している大阪市の届出住宅数も同様に、2019 年 10 月の 2,677 件をピークに2か月連続で減少している。

観光庁が公表した住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録の状況によると、都道府県別の民泊届出数(2019 年 12 月 11日時点)では7,006 件の東京都に次いで、大阪府(2,839 件)は全国2番目の件数となる。

全国3番目に多い北海道は 2,796 件で、東京都と北海道では毎月増加している一方で大阪府では減少に転じていることから今後1-2か月以内に北海道が大阪府を抜く見込み。北海道はその大半が札幌市に民泊が集中しているが、東京五輪のマラソンコースが急遽札幌に変更されるなど注目度は改めて高まっている。

また、大阪府で民泊を行う場合、住宅宿泊事業の届け出のほかに特区民泊の許認可を受けることで営業を行うことも可能だ。大阪市では、旅館業や特区民泊への切り替えを行うことを前提に、住宅宿泊事業として一時的に営業を行い、許認可が下り次第、切り替える事業者も多い。

実際に、観光庁が実施した住宅宿泊事業の事業廃止理由に関する調査でも「旅館業・特区民泊への切り替え」を廃止理由として答えた人の割合は約6割にものぼる。大阪府では、今後も1年間 365 日民泊営業が可能な特区民泊や旅館業への切り替えが増えていくことになりそうだ。

 

民泊主要3エリアで伸び率鈍化 地方では伸長

住宅宿泊事業法の施行からこれまで民泊届出数(2019 年 12 月 11日時点)は、全国で 20,200 件まで増加。このうち、東京都と大阪府、北海道の3エリアだけで全体の6割を占めている。しかし、これらの主要3エリアの伸び率は徐々に鈍化しつつあり、東京都と北海道での前月伸び率は2~3%台だ。

民泊主要エリアでは民泊届出数の伸び率が鈍化しつつある一方で、堅調な推移を見せるのが地方のエリアだ。2019 年 12 月の前月伸び率で最も高かったのは、熊本県の 18%増、次いで青森県の 11%増、愛媛県の8%増が続く。

これまで民泊は東京や北海道、大阪などでの注目度が高かったが、徐々に地方でも民泊の届出が増えていることがわかった。

法務省「出入国管理統計」によると、2018 年に成田、羽田、関西など主要6空港以外の地方空港を利用して入国した訪日客は、前年比 11.7%増の 758 万人と入国者数全体の25.2%に達する規模にまで拡大している。

地方への海外直行便の増加やゴールデンルート以外の地方の魅力に触れたいと考える訪日外国人の増加を背景に、、地方でも徐々に民泊が裾野を広げていくことになりそうだ。



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