分譲マンション、民泊禁止が8割で圧倒 マンション管理業協会が調査結果を発表

マンション管理業協会は2月27日、マンションで民泊を禁止している管理組合が8割にのぼり、民泊を許可しているのは0.3%という調査結果を発表した。6月15日に施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)を控え、民泊を取り巻く状況の厳しさが浮き彫りになった。

同協会に加盟するマンション管理会社が、管理を請け負っているマンション管理組合の民泊の可否状況を調査した。同協会に加盟しているのは全365社(2018年1月末現在)で、84.4%に当たる308社が担当している管理組合の民泊の可否状況を回答した。

調査結果によると、管理規約の改正などで民泊を禁止にしているマンション管理組合が80.5%で、許可しているのは0.3%にすぎなかった。「検討している」と答えたのが19.1%で、今後、民泊禁止マンションの割合が、さらに増加する可能性もある。

【民泊可否の調査結果】
(決議あり)禁止方針:回答組合数70,361=80.5%
(決議あり)容認方針:回答組合数  270=0.3%
決議なし:回答組合数16,721=19.1%

禁止方針の内訳ではマンション管理規約の改正が44.6%、総会・理事会の方針決定が35.9%だった。容認方針は管理規約改正が0.1%、総会・理事会の方針決決定が0.2%。

同協会によると、全国の分譲マンションは633万5,000戸(2016年度末現在)あるとされ、このうち同協会に加盟するマンション管理会社で、92%以上の分譲マンションの管理組合から、管理業務を請け負っている。

ほとんどのマンションで民泊を禁止する背景について、同協会の担当者は「住居として住むことを前提としておりトラブルを防ぐことが目的なのでは」と語る。

実際に、一部の民泊では早朝・深夜の騒音やごみ出しなどの生活ルールの不徹底で問題になるケースが相次いでいる。その多くは無許可の民泊とみられ、全国の自治体では民泊条例を制定し、厳しい規制をかけているのが現状だ。

国土交通省は2017年6月の国会での民泊新法成立を受けて、同8月にマンションで民泊を禁止する場合に管理規約に明記するよう不動産会社などの業界団体に通達。全国のマンション管理組合の8割以上で使用している「マンション標準管理規約」のひな型に民泊可否の文言を追記していた。

民泊を全国的に解禁する法律として期待されていた住宅宿泊事業法を取り巻く環境は、非常に厳しくなっており、届出の申請数が伸びるのかは未知数だ。



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