Airbnbが自社“ホテル”に着手、対立が続くニューヨークで都市型宿泊施設を展開へ

Airbnb(エアービーアンドビー)はこのほど、米国ニューヨークにある商業施設を「新しいタイプの都市型宿泊施設」にする目的で、大手不動産デベロッパーのRXR Realty(RXRリアリティ)と提携したことが明らかになった。

この新しい「宿泊施設」はリビングルームとキッチンを備えたホテルタイプの客室で、Airbnbプラットフォームのみで予約できる。Airbnbが「民泊サービス」の枠を超え、伝統的なホテル業界に進出する。

AirbnbとRXRリアリティの両社はまず、マンハッタンの象徴的な建築物であるロックフェラープラザの10階分を高級スイートに改装することから着手。さらに、ブルックリンネイビーヤードの開発物件など、RXRリアリティが所有する物件とのコラボレーションも模索している。

Airbnbはこれまで、不動産デベロッパーとAirbnbブランドのアパート開発の実績はあるが、ホテルタイプの宿泊施設を展開するのは初めて。ロケーションの確保や管理はRXRリアリティが、マーケティングや予約管理はAirbnbがそれぞれ担い、デザインとサービスでは協働する。

 

Airbnbブランドのアパートメントホテルを続々開業へ

2017年に Airbnb は、マイアミの不動産デベロッパーのNewgard Development Group(ニューガード・デベロップメント・グループ)と提携し「Niido powered by Airbnb」というブランド名でアパートメントホテルを展開する計画を発表。

プロジェクトの第一弾では、フロリダ州キシミー市にある324部屋のアパートメントをAirbnbブランドのアパートメントホテル「Niido powered by Airbnb」に転換した。

同アパートメントホテルの借主は、旅行などで自宅を留守にする期間、年間180日間まで民泊物件として合法的に民泊運用を行うことができるのが特徴だ。すべての物件には、マスターホストが常駐し、ゲストのチェックインやコンシェルジュサービス、清掃サービスなどを提供。

また、Nidooが提供するスマートフォンアプリは、Airbnbのカレンダーと同期し、予約状況を確認できるほか、日次・月次・年次での収益状況を確認することもできる。

《関連記事》Airbnb、不動産デベロッパーと提携しAirbnbブランドのアパートメントホテルを続々開業へ

「Domain Apartments」Webサイトより

 

逆風が吹き荒れるニューヨークでの新しい取り組み

Airbnbが自社のホテル展開を開始するというニュース自体は、これまでの同社の取り組みからも想像に難くないが、注目すべきなのは、その場所が民泊サービスに対する逆風が吹き荒れるニューヨークであるという点だ。

ニューヨークは、民泊サービスに関する厳しい規制で知れており、2016年に住居を短期滞在(30日未満)のために貸し出した場合に、最高で約78万円(7,500ドル)の罰金を科す条例を施行。2017年には同条例に違反したとして、ホスト2名がそれぞれ約11万円(1,000ドル)の罰金を科された。

2018年には、ニューヨーク市議会が、Airbnbなどの民泊仲介サイトに、民泊ホストの氏名や住所、電話番号やメールアドレスなどの情報開示を求める条例案を可決。Airbnbは、同条例を廃止求めニューヨーク市を提訴するなど、対立が激化していた。

米国最大の市場となるニューヨークで、Airbnbは、自社ホテルを開始するとともに伝統的なホテル業界に参入し巻き返しを図る考えのようだ。



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