政府は2月19日、6月15日施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)を見据え、民泊ポータルやコールセンターの開設を行うことを明かした。民泊事業者・利用者に加え、民泊制度を周知するための専用Webサイトを3月までに公開。苦情や相談の専用コールセンターも3月1日に開設する。
政府の計画によると、Webサイトは2月28日に日本版を先駆けて公開する。その後、状況を見ながら、インバウンド(訪日外国人)向けの英語版を3月中に公開する計画。民泊新法の概要や制度について解説し、全国で広く共通認識を持つことを狙う。
Webサイトではこのほか、民泊事業者向けに事前届け出の方法も明記する。3月15日から民泊新法施行に向けた事業者の届け出が始まり、問い合わせなどに効率よく対応するためだ。
このほか、各自治体による民泊条例の制定状況も併せて掲載する。民泊新法では、年間の営業日数の上限を180日に制定。ただ、条例を単独で制定できる全国の自治体では、地域の状況に応じて営業日数の短縮、営業地域の規制などをするケースが多い。
民泊を営業する条件などが、条例によって全国各地で異なることが続出する。このため、混乱や届け出時の混乱を極力回避する意味でも、全国の条例制定の状況を一括して網羅できるよう事業者の利便性を高める。
苦情相談を受け付ける民泊コールセンターも開設
民泊に関する相談や苦情に対応するコールセンターの開設も予定している。現状の民泊営業では、民泊利用者と住民がトラブルになるケースも少なくない。早朝・深夜の騒音やごみ出しなどの生活ルールの不徹底、文化・風習の違いなどが理由だ。
コールセンターでは、苦情や相談を受けると内容を一元管理して事業者らに速やかな対応を求める。苦情などを受けると、コールセンターから都道府県などの自治体に通達。必要に応じて調査や行政指導などを行い、早急に改善策につなげることを目的とする。
コールセンターは3月中が平日の9~17時で平日のみ対応、4月以降が9~22時で毎日受け付ける。民泊新法が施行される6月15日以降は住民からの苦情などの通報も受け付ける予定。コールセンターは日本語で対応する。
今回の民泊をめぐる政府の対応策は、法律にのっとった民泊の健全運営が目的として挙げられる。コールセンターを設置することで近隣住民からの通報も寄せられることで、無許可民泊の抑止力にもなりそうだ。