新宿区から4,000室の宿泊施設が消失か、民泊の届出件数トップは新宿区でたったの106件

民泊新法(住宅宿泊事業法)が6月15日に施行日を迎えたが、観光庁によると6月8日時点の届出件数では東京都内では新宿区が最も多く106件、次いで渋谷区が90件であることがわかった。

民泊市場のリサーチ・調査を手掛けるメトロエンジン株式会社が提供する民泊ダッシュボードのメトロデータによると、Airbnbが行った未届け民泊の一斉削除前の時点で約4,600件の民泊施設が存在していたが、新宿区では106件の届出しかなく、約2%程度しかない。

また106件の届出件数のうち6月15日時点で受理に至ったのは53件で未届け物件のうちたったの1%しか受理されていない状況がうかがえる。

新宿区で民泊の営業を行う場合、住宅宿泊事業法の届出を行うか旅館業法の許可を取得するかのいずれかの選択肢しかなく、これから届出件数が急激に伸びることは考えにくい。

 

一斉削除前の民泊物件数と届出件数の違いとは

未届け民泊の一斉削除前時点で民泊物件が多く存在していたのは、新宿区、渋谷区、台東区などのエリアであったが、届出件数でみると民泊の人気エリアであればあるほど民泊の届出比率が低いことがわかる。

民泊の一斉削除前の民泊物件と住宅宿泊事業法に基づく届出件数を比べると、これまで民泊物件の少なかった杉並区や板橋区などで一斉削除前の物件数に占める届出比率が高いことがわかった。

もともと民泊物件数が多く存在していたエリアである新宿区や渋谷区などでこそ、訪日外国人からの宿泊ニーズが高いエリアで届出比率が高くあるべきであるが、自治体ごとの厳しい上乗せ条例に阻まれ伸び悩んでいるようだ。

 

▼東京都 一斉削除前の民泊物件数と届出件数一覧

東京都23区一斉削除前の物件数※1届出件数(6月8日時点)民泊届出比率
新宿区4,6001062.3%
渋谷区2,300903.9%
台東区1,800874.8%
豊島区1,500724.8%
墨田区900707.8%
中野区700568.0
港区1,200514.3
世田谷区700507.1
杉並区4004511.3
板橋区2803211.4

※1 民泊市場のリサーチ・調査を手掛けるメトロエンジン株式会社が提供する民泊ダッシュボードのメトロデータ

 

届出が伸び悩む背景には厳しい上乗せ条例の存在

民泊の営業日数を年間180日以内に制限する住宅宿泊事業法の厳しさもさることながら、180日より厳しい上乗せ条例を制定する自治体も多い。特に住居専用地域や家主不在型の民泊での規制が厳しく、渋谷区や港区など民泊の人気エリアでは100日以内に制限される。

届出件数が少ない要因の一つとして届出の申請に時間がかかっているとの見方もあるが、届出を行ったところで年間の営業日数が短く事業の場合採算は合わず、今後届出件数が増加することは考えにくい。

 

▼東京都23区 上乗せ条例による民泊規制状況(家主不在型)

東京都23区規制状況年間日数※2
新宿区住宅宿泊事業に関するページ
・住居専用地域では月曜正午~金曜正午まで民泊営業を禁止
154
渋谷区住宅宿泊事業(民泊)について
・住居専用地域、文教地区で、春/夏/冬の休み以外民泊営業を禁止
94
台東区住宅宿泊事業に関する手続き
・管理者常駐型ではない家主不在型は全域で、月曜正午〜土曜正午まで禁止※
※祝日(正午)から翌日(正午)、年末年始(12/30~1/3)は除く
122
豊島区住宅宿泊事業法に関する手続き
・住居専用地域などによる区域・期間制限なし
180
墨田区住宅宿泊事業に関する手続き
・住居専用地域などによる区域・期間制限なし
180
中野区住宅宿泊事業法に関する手続き
・住居専用地域では月曜正午~金曜正午まで民泊営業を禁止※
※祝日(正午)から翌日(正午)を除く
167
港区住宅宿泊事業に関するページ
・住居専用地域の家主不在型は春/夏/冬の休み以外民泊営業を禁止
94
世田谷区住宅宿泊事業法に関する手続き
・住居専用地域では月曜正午~土曜正午まで民泊営業を禁止※
※祝日(正午)から翌日(正午)を除く
118
杉並区住宅宿泊事業法に関する手続き
・家主不在型は住居専用地域で月曜正午~金曜正午まで禁止※
※祝日の前日(正午)から祝日の翌日(正午)までの期間を除く
169
板橋区住宅宿泊事業法に関する手続き
・住居専用地域では日曜正午~金曜正午まで民泊営業を禁止※
※祝日の前日を除く
118

※2 住居専用地域で、家主不在型の場合の営業日数