香港発のアクティビティツアー予約サイトのKLOOK(クルック)はこのほど、今年中に旅行予約数6,000万件を突破する見通しで、同社のオンラインプラットフォーム上での平均月間訪問者数は3,000万人に上ることを明らかにした。
2014年に創業されたKLOOKは、タビナカのアクティビティやオプショナルツアーを専門に取り扱うオンライン予約プラットフォーム。現地オペレーターとの直接的なパートナーシップを通じ、180カ国360カ所以上の旅行先に、アトラクションのチケット、ツアー、乗車券、飲食などに関わる10万件以上のラインナップを提供している。
同社によると2020年末までに世界30拠点以上で従業員を1,200人から2,500人以上への増員を予定。日本を含めたアジア太平洋地域での展開を継続する一方、欧州市場の成長を加速させて拠点を拡大したい考え。
2014年に香港で創業したKLOOKは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが主導するシリーズD資金調達ラウンドでセコイア・キャピタル(Sequoia Capital)、マトリックス・パートナーズ(Matrix Partners)、イスラエルのOurCrowd(アワクラウド)など総額約430億円(4億2,500万米ドル)を調達している。
KLOOKは、「現地をいいとこどりしてほしいから、だれでもかんたんに使えるものを」をミッションに、フライト予約やホテル予約サービスをあえて提供せず、現地アクティビティ予約のみに特化している点を特徴し急成長している。
KLOOK、JR西日本と連携 世界の乗車券発売も視野に
KLOOKは、スムーズで効率的な乗り継ぎを旅行者に提供する狙いで、利用が簡単でスマートフォンでの利用を前提とした乗車券販売プラットフォームを提供。世界の主要な鉄道の乗車券や人気のレールパスを発売することを目指している。
9月上旬にはプラットフォーム上で中国鉄道の乗車券の取り扱いを開始し、複雑な鉄道システムのデジタル化に向けた同社の継続的な取り組みにとって重要な一歩を踏み出した。
一方、東京オリンピックを来年に控えた日本での展開にも力が入っている。KLOOKは2019年9月にJR西日本とインバウンド誘致に向けて連携することを発表。JR-WEST RAIL PASS(電子チケット方式)とユニバーサル・スタジオ・ジャパンの入場パスなどをセットにしたチケットの販売をインバウンド向けに開始している。
国内には東京や大阪、京都など、KLOOKユーザーに人気の観光地が多いことに加え、東京オリンピックでインバウンドが増加することを見越し、KLOOKは、9言語と41種類の表示通貨に対応した同社の多言語プラットフォームを通してサービスを拡充していく計画だ。