ホテルユニコーンのOYO(オヨ)、欧州のバケーションレンタル・民泊大手を約460億で買収

ホテル・不動産ユニコーンの OYO Hotels & Homesは、バケーションレンタル・民泊事業を手掛ける@Leisure Groupをドイツ大手メディアのアクセル・シュプリンガー(Axel Springer)から買収したことが明らかになった。海外メディアによると、買収額は約463億円(約4億1500万ドル)にのぼる。

@Leisure Groupは、ヨーロッパで約11万5000物件、全世界では約30万室を有し、年間で118カ国約280万人の旅行者が利用するバケーションレンタル企業。アクセル・シュプリンガーは4年前に同社を買収し、株式の51%を保有していた。

OYOは英国、米国、インド、中国、サウジアラビア、日本など24カ国 800都市で事業を展開。2017年にスタートした OYO Homes では住宅や別荘などのバケーションレンタルを45,000以上管理しており、時価総額は約5,580億円(50億ドル)に上る。

現在、ホテルチェーンとしては世界第6位の規模を誇るOYOは、ソフトバンクや民泊仲介大手のAirbnb(エアービーアンドビー)などから資金を調達する傍ら、日本や中国など海外での事業拡大を続けている。

今回実施した@Leisure Groupの買収により、OYOは、ヨーロッパ市場、特にバケーションレンタル事業において、OYOビジネスの拡大の布石を打った形だ。

@Leisure Group CEOのトビアス・ワン(Tobias Wann)氏は「@Leisure Groupは、あらゆる形態の休暇用&都市部住宅賃貸の特定とサービスという、OYOと似たミッションから始まり、物件所有者と利用者の双方にとってストレスフリーな体験を提供することに注力してきました。」

「当社がここ数年間でこのミッションを達成してきたことを共有できるのを非常に嬉しく思っており、これからは、OYOとのシナジーをテコにしてヨーロッパでの存在感を強め、グローバルに成長していきたいと思います。」と話した。

 

OYO、@Leisure 買収で欧州大手バケーションレンタル企業に

世界最大の統計ポータルサイトのStatista(スタティスタ)によると、ヨーロッパにおけるバケーションレンタル市場の年間成長率は4~8%で、今年は約2兆750億円(186億ドル)規模になると推定される。

ヨーロッパにおける旅行業界の動きは慌ただしく、2019年4月にはベルリンの旅行関連のスタートアップ企業、ゲットユアガイド(GetYourGuide)が約370~620億円(3億~5億ユーロ)にも及ぶ大型の資金調達を行ったばかりだ。

OYOの最高戦略責任者マニンダー・グラチ(Maninder Gulati)氏は「ヨーロッパだけでもバケーションレンタルの需要は増え続け、一軒家を予約する傾向が強まっている。この買収でOYOのビジネスチャンスは限りなく広がる」とコメントした。

2013年にインドで創業したOYOは、これまで南アジア地域とその周辺エリアでサービスエリアを拡大しており、ヨーロッパにはこれまで本格的な進出を行っていなかったOYO。@Leisure Groupの買収で、OYOは、ヨーロッパ大手のバケーションレンタル企業となるとともに、さらにその規模を拡大していくことになりそうだ。



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