ITソリューション事業を展開する株式会社グラファイトはこのほど、TELP PROJECT(アプリ開発代表:原口亮太代表)と共同で、iOSを対象とした通訳マッチングアプリ「TELP(テルプ)」を公開した。英語や中国語など外国語で会話できない観光事業者と、外国語を学習している“ボランティア通訳者”を結び、訪日外国人客との円滑なコミュニケーションを支援する。

日本を訪れる外国人旅行者は、政府が掲げる2020年までに4,000万人達成という目標に呼応するように、年々上昇の一途をたどっている。グラファイトは、これに伴って高まるコミュニケーションツールの必要性に着目し、「外国語対応に困る全国各地の観光事業者をサポートする」目的で「TELP」を開発した。

 

外国人とのコミュニケーションをサポート

通訳を依頼する側のユーザーとして想定されるのは、土産店や酒蔵、寺社など地域観光の従事者。例えば、伝統へのこだわりや地元特産品の紹介、食材の説明など、日本語が通じない外国人客への対応にアプリを使える。一方、通訳側のユーザーは観光ボランティアや通訳に関心のある人、外国人留学生などの登録者で、「TELPER」と呼ばれる。

アプリにはチャット通話と電話通話の2種類の使い方がある。チャット通話では「TELPER」に「友達リクエスト」をした後で外国語に関する質問や相談ができ、電話通話では急場で意思疎通が必要な際などに「TELPER」に電話で通訳を依頼できる。

「TELP」は現在、通訳「TELPER」となるユーザーの登録も募集している。「TELPER」希望者は語学のレベルが問われることなく、多少なりとも外国語の知識のあれば、該当言語を選択して登録可能。観光事業者をサポートするだけでなく、外国語に関心を抱く人々に実践の場を提供する狙いもアプリにはある。

 

有料サービスも拡張して本アプリをリリースへ

今回公開されたのは、利用料、通訳料とも無料のβ版で、iOSデバイス用のApp Storeで入手できる。今後、観光ボランティアや留学生などの協力を得つつ、本アプリをリリースするための需要テストを重ねる。通訳案内士法が施行される2018年1月をめどに、オンライン通訳案内の有料サービスなどを充実させる予定だという。



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