2015年から右肩上がりに伸び続けていた東京エリアのAirbnb物件数が2ヶ月連続で減少したことが、「SPIKEデータ for 民泊」でわかった。
個人宅の空き部屋などを旅行者に貸し出す「民泊」は2015年下期からテレビ番組や雑誌などでの露出機会が増加した影響を受けて2015年の下期から、東京エリアにおける物件数が急増していた。
2ヶ月連続で減少した3つの要因
東京の物件数が2ヶ月減少に転じた理由としては、2016年4月の旅館業法運用緩和を皮切りに民泊新法の方向性が固まる一方で、民泊の匿名通報サービスが登場など、激動する民泊市場に対して様子見ムードが広がっていることが影響しているものと見られる。
民泊新法の方向性が固まる
民泊新法とは、シェアリングエコノミーの特性にあわせた「民泊サービス」を規定する新しい法律を指す。平成 27年6月の規制改革実施計画に基づき、厚生労働省などの関係省庁による「『民泊サービス』の あり方に関する検討会」において検討が行われ、2017年の通常国会への提出を目指して準備が進んでいる。
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2016年4月に旅館業法の運用緩和を実施
訪日外国人急増によるホテル不足と全国で増加する空き家の有効活用の観点から、国は、簡易宿所の許可取得を取得しやすいように旅館業法の運用緩和(旅館業法施行令の一部改正、簡易宿所営業における玄関帳場に関する通知の見直し)を実施。
合法的に民泊を運営するための方法として簡易宿所の営業許可を取得するハードルが以前よりも低くなったと報道される一方で、実際は許可取得のハードルはあまり低くなっておらず、様子見ムードが広がった可能性が考えられる。
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匿名民泊通報サービスの登場
「民泊ポリス」とは、マンションなどで行われる「民泊」に関する近隣住民などからの情報提供を匿名で受け付けるサービス。受付後は、運営サイドが主要民泊サイトでリスティングを特定。管理会社・物件オーナー・保健所にその事実を伝え、違法状態の是正を促す。
サービススタートからの2ヶ月間で約400件の匿名通報が寄せられ、うち4分の1にあたる106件の物件の所在地を特定しており、この匿名民泊通報サービスによる影響は少なからずあるといえる。