東京都で民泊利用の宿泊税課税を 都税調小委で多数意見

8月24日の東京都税制調査会(池上岳彦会長=立教大学教授)で、民泊利用時の課税に対して「税の公平性の観点から対象にすべきだ」との多数の意見が出たことを8月25日付の日本経済新聞が報じた。今後、10月にも行われる最終答申で方針を示す。

都税調小委員会では、都が2002年10月から実施している独自の宿泊税とのバランスを踏まえ、民泊利用時の課税について意見が出た。日本経済新聞によると、池上会長は「対象に含めるべきだとの意見が多かったのを踏まえて考えたい」としている。今後はさらに課税に対する議論を踏まえ、導入について慎重に検討していく。

都では民泊を除き、ホテルや旅館などの宿泊施設の利用時に宿泊者に宿泊税を課している。税率は1人当たり1泊10,000円以上が100円、15,000円以上が200円で、10,000円未満は課税対象外。2016年度の宿泊税による税収は約23億円だった。

宿泊税による税収は、観光振興などの各種事業や整備費に充当している。東京都を訪れるインバウンド(訪日外国人)の増加にともない、行政サービスを充実させることが目的に一つに挙げられる。2016年のインバウンドは2,403万人の過去最多を記録し、2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、同年に4,000万人、30年に6,000万人のインバウンド需要を政府が目標値としている。

宿泊税の課税は東京都以外の自治体でも導入する動きが出ている。大阪府は特区民泊で2017年7月から課税を導入。京都市では、2018年1月をめどに施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)を見据え、許可を取得していない民泊を含むホテルや旅館などの全宿泊施設の利用者に課税する方針を固めている。

ただ、都の民泊利用の宿泊税導入をめぐり、慎重論も出ている。受益と負担の明確な関連や税収の使途や検証など、煮詰めていく課題も数多い。さらに、東京都や大阪府でホテルや旅館の利用者に課税している宿泊税導入時には、宿泊・旅行などの関連団体から反対意見も出ていた。

インバウンドの増加によって、地域経済が活性化する大きな経済効果があるのは確か。各自治体が主導し、インバウントを定着・発展させるためにも、従来の税目で事業費を捻出するのには限界があった。民泊は世界の主流になりつつある宿泊形態とあって、宿泊税の課税対象にすると、大きな税収にもなる。今後は民泊事業の各団体、旅行業界を含めた業界団体にも意見を聴くなど、広範囲な議論が求められる。

《関連サイト》東京都税制調査会第3回小委員会