民泊の影響も? 大阪・東京のホテル客室単価下落

大阪と東京のホテルの客室単価が下落していると英国調査会社のSTRが伝えた。2016年では、大阪で7~9月の平均単価が1.6%、東京でも同じく0.2%下落している。

ホテル利用の需要は、インバウンド(訪日外国人)の増加とともに伸びている。観光庁によると、2016年のインバウンド数は2,404万人で過去最多を更新。2017年9月現在は、約2,200万人で前年同月比約18%増と、2016年の記録更新が確実な情勢だ。

その一方、ホテル業界が戦国時代を迎えている。特に深刻なのが大阪で、7~9月の下落によって5四半期連続の下げ幅となった。2020年東京五輪・パラリンピック開催を前に訪日外国人旅行者が増えたことで、国内主要都市でのホテル建設が急激に増えているからである。

高級ホテルや1泊10,000円以下のホテルも含めて、全国の15万室以上を対象に行われたSTRの調査によると、7~9月の大阪の客室数の平均単価が15,720円で1.6%、東京が17,949円の0.2%と、それぞれ前年同期比で安くなっている。

大阪の傾向は宿泊料金が10,000円未満の安価なホテルの下落が顕著だった。大阪市中央区の「なんばオリエンタルホテル」は、9月の平均単価が17,048円と前年同月比で5.0%下落。下落は大規模ホテルにも影響を与えているという。

 

インバウンドを求め 新たな設備がカギとなるか

東京の周辺では、千葉県浦安市の「オリエンタルホテル東京ベイ」の9月の平均単価が前年同月比で7.6%もの下落となった。一帯は東京ディズニーリゾートを擁し、周辺ホテルで客室数が増えているため、価格競争の激化が浮き彫りになっているようだ。

価格競争が激化する一方で宿泊需要全体を見れば、著しい伸び率を見せており、観光庁によると2017年8月までの延べ宿泊者数は、前年同期比で4割近くの増加となっている。世界400カ国・地域に展開している事業用不動産情報会社のCBREによると、東京と大阪の客室数は2020年までに約3割増える見通しだ。

ホテルや民泊などの宿泊施設の増加と昨今のインバウンド需要の増加を受けて、ホテルの改修工事や改築工事により外国人の受け入れ強化を狙ったリニューアルも増えている。リニューアル工事により客室単価か改善する例もあり、差別化を狙ったリニューアルは今後も増えていると見られる。