東京都と東京観光財団 宿泊施設の防犯カメラ導入に補助金

東京都と東京観光財団はこのほど、宿泊施設の防犯カメラ導入に補助金を支出することを発表した。都内に宿泊する国内外からの旅行客の安全を確保するためで、補助対象経費の2分1以内で、1施設あたり2台までの計90万円を補助金の限度にしている。

補助対象施設は「ホテル営業」「旅館営業」に加え、民泊などが対象になる「簡易宿所営業」の各宿泊施設。補助対象経費として、防犯カメラおよび録画装置等機器の購入、設置および工事などの各費用を負担する。1施設あたり最大2カ所を限度に、同一年度内に1回限り補助金が受けられる。募集は8月7日から始まり、2018年3月30日まで。ただし、補助金申請額が予算に達した時点で、受け付けを終了する。

今回の補助金の事業は、2020年東京五輪・パラリンピックを見据えた都の「2020年に向けた実行プラン」事業の一環。小池百合子知事が掲げる「都民ファースト」の視点に立ち、「セーフ シティ」「ダイバーシティ」「スマート シティ」の施策のうちの「スマート シティ」に該当する。政策の柱として、世界に開かれた国際・観光都市のさらなる発展に向けて取り組むこととしている。

民泊関連の補助金は、各自治体で予算に計上するケースが増えている。大阪府では特区民泊施設の「環境整備促進事業補助金」(限度額40万円)、観光庁の「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金」(同100万円)、鳥取県八頭町の「八頭町民泊開設支援事業助成金」(同2万円)、茨城県茨城町の「茨城町農家民泊受入事業等補助金」(報告書によって補助金の額が決定)など増加中だ。

民泊で補助金が受けられるのは、各自治体の許可を受けた事業者になる。全国各地で急速に拡大する民泊施設だが、その裏で違法なヤミ民泊施設も数多く点在している。各自治体では、補助金で適法な民泊施設の運営を支援する一方、違法な民泊施設の淘汰も視野に、積極な補助金の運営が狙いにあるとみられる。

 

補助対象要件

1.施設における犯罪発生の抑止または犯罪被害の防止を目的とする
2.施設内および施設敷地内に設置する防犯カメラおよび録画装置等
3.設置目的や運用方法等について規約を定め、適切な設置運用を実施

想定される防犯カメラの設置場所

・宿泊施設の出入り口
・ロビー
・駐車場
・フロント
・共用スペース(各階の廊下、エレベーターホール)
・併設している売店や入浴施設等の出入り口



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