民泊仲介サイトのVacasaがシリーズBで約116億円を資金調達

米国ポートランド初のバケーション用不動産管理会社であるVacasa社は、10月17日Riverwood Capital主導による投資ラウンドシリーズB で1億350万米ドル(約116億円)を資金調達したとバケーションレンタル業界に特化したニュースサイト「VRMintel」が報じた。

2016年に4千万米ドルを調達したシリーズAに続く今回の投資ラウンドの参加企業は、New Spring Capital、Level Equity、Assurantなど大手投資企業が参加。Vacasa社CEOであるEric Breon氏によると、同社は今回の資金調達を基に新規事業の拡大や買収を行う意向だという。

 

常勤スタッフも増強、強豪他との差別化

2009年創業のVacasa社は、独自のプラットフォームを展開し、物件所有者が旅行者などに部屋や家を貸し出して収入を得るためのマーケティングや予約、清掃、管理といったさまざまなサービスを提供。現在、6,000軒の民泊物件を管理し、1,600人の常勤スタッフを抱えている。このプロフェッショナルな管理手法が民泊最大手のAirbnbとの大きな差別化になっている。

バケーションレンタル業界においてブランド構築が容易でないことは周知のとおりで、例えば「ヒルトンのバケーションレンタルも、ユーザーには意味をなすものではない」とBreon氏は言う。

「画一化されたブランドは不要。ユーザーにとって大事なのは、そこで何を得られるかということ。規格化されたものは求められていない。設備がきちんと機能して、清潔で、と、ユーザーが望む通りのものを用意できれば、それでいい」と考えている。

 

北米1位のバケーション用不動産管理会社へ

Vacasa社は米国におけるバケーション用不動産の管理会社としては、Wyndham Vacation Rentals社に次いで第2位の規模。北米第1位を誇るWyndham Vacation Rentals社が欧州のバケーションレンタル部門の閉鎖を検討している一方で、追手Vacasa社は欧州や中南米、南アフリカなど国際的に拡張している

今後、Breon氏が目指すのは急速な成長。「今年は50%の人員増加、約70%の成長を目標としている」という。Vacasa社が本年中に成長目標を達成した場合、同社は北米で最大のバケーション用不動産管理会社になる見込みだ。

投資ラウンドにも参加したLevel Equityの共同創業者で共同CEOのBen Levin氏は「これほどに急成長するビジネスは本当にまれ。我々が投資をした1年半のうちに、Vacasa社は収益や管理物件をほぼ3倍にし、地理的にも技術的にも足跡を著しく広げ、上級管理職チームやブランドを成長させた」とコメントしている。

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