訪日外国人旅行者数 史上最高の年間2,000万人突破

国土交通省は31日、2016年に日本を訪れた外国人旅行者数が、今年初めから10月30日までで2,000万人を超えたと発表したことを各メディアが報じた。これまでの外国人旅行者数の最高値は2015年の1,974万人であり、初めて2,000万人を突破したことにある。

訪日観光客は毎年20%以上のペースで増加しており13年に初めて1,000万人を超え、14年1,341万人、15年1,974万人とここ数年で順調に急増している。

今年4月の熊本地震の後、一部で九州旅行を控える動きが出たが、すぐに持ち直しており通年では2,400万人程度に達する見方もある。

出典:訪日外国人観光客の推移 民泊インバウンドデータ

訪日観光客は、政府が進めてきた観光ビザの発給要件緩和や免税制度の拡充に加え、アジアを中心に航空路線の新規就航や増便、クルーズ船の寄港増加などで、中国、韓国、台湾などアジア地域からの旅行者が大幅に増えた。

国や地方自治体が訪日観光客の消費を経済活性化につなげようと、訪日旅行のプロモーション強化も要因の1つと言え、経済成長が著しいアジアでは、中国人観光客による”爆買い”が話題になるなど旅行意欲が旺盛な中間所得層が増えていることも追い風となっている。

政府は「観光先進国」の実現を成長戦略の1つとしていて、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年に年間4,000万人を目標を掲げている。

訪れる場所としては東京と大阪を結ぶ「ゴールデンルート」の人気が高いが、地方にも分散しつつある。

例えば、広島原爆ドームと宮島の二つの世界遺産を持つ広島は、単独で集客力があり、中部国際空港から飛騨・高山・白川郷、金沢へと抜けていくルートを中華圏では「昇龍道」、欧州人には「サムライルート」と呼ばれるほどである。外国人の延べ宿泊者数では、地方の伸びが三大都市圏を上回る傾向が続いている。

20年までに年間4,000万人に増やす目標の達成には、空港や港湾、ホテルなど受け入れ環境の整備や観光資源の掘り起こしなど課題も多い。20年に東京都内で1,880万人分の宿泊施設が足りなくなる可能性がある。

政府は羽田空港の容量拡大やホテル用地の容積率緩和、個人宅の空き部屋などに旅行客を泊める「民泊」解禁の検討を進めている。10月31日には大阪市で特区民泊がスタートしており来年2017年には民泊新法も制定される見込みだ。

また、訪日観光客数の拡大はアジアの旅行需要に支えられてきた面が大きく、継続的な訪日ブームに繋げるためには、リピーターを増やしたり、周遊型の旅行を促したりする必要がある。文化財や自然公園を観光資源として磨きをかける取り組みも求められる。

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訪日外国人旅行者数 2000 万人突破



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