横浜市が独自の基準を定めた民泊条例を制定することが公式ホームページで明らかになった。(仮称)横浜市住宅宿泊事業に関する条例について、市民から意見を募集しており12月19日(火)まで電子メールや郵送などで受け付ける。神奈川県では初めての民泊条例になる見通しだ。
住宅宿泊事業法(民泊新法)が2018年6月に施行されるのに伴い、横浜市が独自の条例制定に向けて動きだした。住民の生活環境悪化防止のため、低層住宅専用地域(第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域)の民泊は月~木曜を制限するものとなる。
民泊新法では年間の営業日数の上限を180日にしているが、各自治体の条例で営業日数の短縮し営業エリアの制限も可能とする。横浜市の条例案では、低層住宅専用地域における民泊の営業日数は、年間最大で120日前後になる見通し。
民泊データの調査を行うメトロエンジン株式会社によると、神奈川県内には東京に近く観光スポットも多いことから約1,000件の民泊施設がある。神奈川県内の民泊施設は、特に人口の多い政令市で都内へのアクセスに優れている横浜と川崎両市に、民泊施設が集中している。
黒岩祐治知事は2016年9月の県議会で、「国家戦略特区による民泊は有効性がある」と代表質問に答えている。県内で可能な地域から特区の活用を進める方針を明らかにしていたが、住民の生活環境悪化の懸念を指摘する意見もあり実現に至っていなかった。
横浜市のように民泊を独自の条例で制限する具体的な動きも出ている。京都市では閑散期の1~2月の60日間に限定する条例案の制定を目指す。長野県でも営業日数を制限する方向で、2018年2月の議会で条例案の提出を目指す。このほか、北海道でも営業日数、営業エリアの制限を検討している。
横浜市では、パブリックコメントで寄せられた意見をもとに検討を重ね、来年2月に市議会に条例案を提出し民泊新法施行前の3月の施行を目指す。