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民泊元年となった2016年は、全国で初めてとなる大田区特特区民泊のスタート。海外では民泊マッチングサイトの買収が相次ぐ中で、日本では大手企業が続々と民泊事業への参入を発表。参入を発表した企業の株価が一時ストップ高となるなど株式市場をも賑わせた。

民泊に対する認知度は高まった一方で、その大半の施設が旅館業法の許可を取得しない無許可営業で近隣住民とのトラブルが問題となることも。このような事態を受けて、京都市は全国で初めてとなる民泊対策プロジェクトチームを発足。さらに民泊専用の相談窓口「民泊通報・相談窓口」を開設し市民から民泊に関する情報の募集を開始した。

規制を強化する自治体がある一方で、民泊の拡大に向けて規制緩和に動く自治体もある。大阪市は10月に特区民泊を活用した合法の民泊運営ができるようになった。さらに来年1月からは全国ではじめて2泊3日以上での民泊営業が合法的に可能になる。大阪市はもともと旅行者からの人気も高いエリアであることから合法民泊の優良エリアとして注目度が高い。

来年は民泊新法の国会提出を控えており、民泊新法あるいは特区民泊を活用した「民泊の合法化」がキーワードになると言える。

 

2016年1月 大田区で特区民泊の申請を開始

東京都大田区は2015年12月7日に、個人宅の空き部屋などに旅行客を泊める「民泊」を認める条例案を可決。2016年1月29日に民泊許可申請の受付を開始した。

従来民泊を合法的に営業するには旅館業法の許可の取得しかなく許可取得のハードルが高かったが、特区民泊により従来よりも許可取得のハードルは下がった。なお、スタート当初は認定件数が伸び悩んだが、その数を徐々に増やし12月22日時点で27件85室まで伸びている。

 

2016年3月 一部自治体が規制強化へ

訪日外国人が急増する背景を受けて、国は民泊の拡大を目指し4月には旅館業法施行令を改正し延床面積の規定やフロント要件の規制緩和を実施した。しかし、東京都台東区や長野県軽井沢町は条例改正などにより民泊に対する規制を強化。民泊の拡大を目指す国とそれに反対する自治体との溝があらわになった。

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2016年4月 旅館業法の運用緩和

訪日外国人急増によるホテル不足と全国で増加する空き家の有効活用の観点から、国は、2016年4月に旅館業法の運用緩和(旅館業法施行令の一部改正、簡易宿所営業における玄関帳場に関する通知の見直し)を実施した。

今回の規制緩和では、従来、簡易宿所型民泊で必要であったフロントが不要になるとともに、面積要件も緩和。従来は一律で33平米以上の広さが必要であったが宿泊客が10人未満の場合に関しては、1人あたり3.3平米以上になった。

《関連記事》民泊の規制緩和と法律の最新動向まとめ

 

2016年5月 京都市、民泊通報窓口開設

京都市は、民泊に関する市民からの通報を受ける専用窓口「民泊通報・相談窓口」を開設することを発表。民泊に関する相談や苦情などがある場合、専用の電話番号やメールアドレス宛に相談ができるようになる。民泊専用の通報窓口を用意する自治体はなく全国初の取り組みとなった。

民泊問題を専門に取り扱う民泊対策プロジェクトチームは無許可民泊施設の調査を行っていたが、この調査で所在地の特定ができなかった施設の特定に一役買ったとみられる。

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2016年6月 民泊新法の大枠が明らかに

「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の議論をまとめた最終報告書を公表。新制度では民泊サービスを「家主居住型(ホームステイ型)」と「家主不在型(投資型)」の2つに区分し、住宅提供者(民泊ホスト)、管理者、仲介事業者(Airbnbなどの民泊仲介サイト)に対して適切な規制を課す基本的な考え方が示された。

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2016年7月 京都、49施設に営業中止の指導

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京都府が発表した「民泊施設の現況調査結果について」の中で、所在地が特定できた49施設について、旅館業法の許可を取得しない無許可営業状態にあることから営業の中止を行ったことが明らかになった。また全国のUR賃貸物件で無許可営業が行われている実態が明るみになるなど、無許可民泊施設に対する風当たりが強くなり始めた。

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2016年8月 リオ五輪でAirbnbが大盛況

Airbnbによると、2016年8月5日~8月21日(17日間)まで開催されたリオ五輪期間中に、6万6,000人を超えるゲストがAirbnbで宿泊。1泊あたりの平均宿泊料は165ドル(3人部屋の場合)であったことが発表された。リオデジャネイロ市内における経済効果は7,600万ドル(約76億円、1ドル100円換算)だったとも。オリンピックのような短期間で大勢の人が訪れるイベントではAirbnbのようなホームシェアリングが活躍したことが明らかになる結果となった。

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2016年9月 Airbnb、アクティビティサイト買収

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Airbnbはアクティビティのマッチングサービス会社Trip4real(バルセロナ)を買収。Trip4realはツアーやアクティビティを企画したい人とツアーやアクティビティ(旅行体験)に参加したい人とをつなぐCtoCのマッチングサービス。

2016年のAirbnb Openでは新サービス「トリップ」を発表した。「トリップ」は宿泊先だけでなく、旅行者とローカルの人との“体験”をシェアするサービス。AirbnbはTrip4dealの買収によりエリアとサービスの拡充を目指すものとみられる。

 

2016年10月 大阪市で特区民泊スタート

大阪市は31日から国家戦略特区内で「民泊」を認める条例を施行し事業申請の受け付けをスタート。東京都大田区、大阪府(政令市などを除く)に続き、全国3例目となる。

大阪市は特区民泊で民泊の拡大に向けた規制緩和を進めることになるが、一方で無許可民泊に対しては規制を強化する構えだ。市は特区民泊の開始にあわせ「違法民泊通報窓口」を開設。無許可民泊施設に関する情報提供を募る。さらに「民泊をはじめとする宿泊対策プロジェクトチーム」を設置。民泊の実態把握を行うとともに、市民及び民泊事業者に対する啓発などを行うという。

《関連記事》大阪市、民泊対策のプロジェクトチームを設置へ

 

2016年11月 Airbnb「トリップ」発表

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Airbnb最大のイベントであるAirbnb Openで、新サービス「トリップ(Trips)」の発表を行った。Airbnbは、個人宅の空き部屋を旅行者に貸し出す宿泊プラットフォームとして多くの人を魅了してきたが、今後は宿泊だけにとどまらず「旅のプラットフォーム」を目指すという。

《関連記事》Airbnb Open 2016で発表されたAirbnbの新機能を徹底解説!

 

2016年12月 特区民泊施設が100室を突破

特区民泊の認定施設が12月23日時点で、38件108室となった。12月23日時点では、大田区がもっとも多く27件85室、大阪府は4件6室、大阪市は7件17室が特区民泊の認定を受けた。

大阪市では、来年1月から利用日数制限が現状の「6泊7日」から「2泊3日」に緩和されるため、今後さらに特区民泊を活用した合法民泊が増えることが予想される。

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