民泊仲介サイト世界最大手のAirbnb(エアービーアンドビー)は、同社のサービスを利用の宿泊者(ゲスト)が、2016年9月から2017年9月までの1年間に、世界44都市で約7150億円(約65億ドル)をレストランでの食事代に費やしたと発表した。
ゲストは旅行中にショッピングやレジャー等に比べて、レストランや飲食店で最もお金を使っているという。
Airbnbによるとリスティングの約4分の3は有名な観光地以外に所在しているという。そのためAirbnbゲストは観光地としてガイドに掲載されていないようなエリアでも地元のレストランや飲食店で食事をしており、Airbnbは地域の経済振興に貢献しているようだ。
1泊当たりの飲食費は40~100ドル
Airbnbの調査によると、2016年9月から2017年9月までの1年で、コペンハーゲン、ロサンゼルス、東京他の主要都市で、ゲストが滞在中のレストランや飲食店で支払う平均額は1泊当たり40~100ドルであったという。
ホテル・旅館などの宿泊施設では、食事付きの宿泊プランも多く食事付きプランを予約した宿泊客の場合、食事のために外出することはほとんどない。一方で、Airbnbではホストがゲストにおすすめのレストランを紹介するといったシーンも多く見受けられる。
「泊食分離」を促すことで、宿泊代金はホテルに入り、夕食などの食事は地元の飲食店でとるというように、利益を地域全体で分配できる仕組みができるのだ。
Airbnbの調査では、Airbnbを利用して宿泊代を節約したゲストの56%は飲食やショッピングにお金をかけているといい、Airbnbのリスティングがあるエリアでは周辺のレストランや商店など地元経済にプラスの効果をもたらしている。
Airbnb、レストラン予約を開始 NYやLAなどから
Airbnbは2017年9月から、Airbnbのアプリから宿泊先に加えてレストランを予約できる新たなシステムを公開した。
Airbnbでは上述の通り、これまでホストがゲストにおすすめのレストランを紹介することが多かったが、予約はゲスト自身が行う必要があり言葉のハードルが高いなどの課題があった。
Airbnbがスタートしたレストラン予約サービスは、言葉の壁の問題をクリアするとともに地元経済への貢献をさらに加速させるサービスになると言えそうだ。
Airbnbは2016年から、これまでの民泊仲介サイトとしての枠を超え、体験やアクティビティといった付加価値のある旅を提案する「旅行プラットフォーム」へと変わる取り組みを行っている。レストラン予約という新サービスの開始によりAirbnbは「旅行プラットフォーム」としての存在感をさらに強めることになりそうだ。