民泊大手のAirbnbとオランダの首都アムステルダム市は12月1日、ホストが民泊サービスを提供できる日数を年間60日に制限することで合意したとロイターが報じた。
この合意は、Airbnbが住宅所有者と旅行者双方への恩恵となっているという賛成側と、競争が生じている状況について不満に思っているホテルのオーナー等を含む反対側との妥協策となっている。
Airbnbはオランダ・アムステルダムでも日本同様に広がりを見せる一方で、スーツケースや宿泊者の騒音問題に悩まされており市民の一部は街の中心部に住めないと苦情を訴えていた。
さらにはアムステルダム市内の住宅価格も高騰を続けており、高騰の一因としてAirbnbが挙げられていた。
Airbnb上に「日数カウンター」設置へ
AirBnBはこの合意により、アムステルダム市内のリスティングに「日数カウンター」を設け、制限を超えた予約を阻止。24時間体制の苦情受付ホットラインの受付もスタートする。
日本でも、2017年制定が見込まれる民泊新法では180日という上限日数が設けられる予定となっているが、その上限日数を把握することが問題になっている。
アムステルダム市内のAirbnb上に表示されることになる「日数カウンター」ではツール上60日を超える貸し出しができなくなり、従来よりも厳格に日数管理されることになりそうだ。
この新しい取り決めは、サンフランシスコに拠点を置く同社が、アムステルダム市に代わり利用者から税金を徴収することに合意した2014年の協定-AirBnBがヨーロッパで初めて結んだ協定の一つである-に続くものである。
《関連サイト》
Amsterdam residents’ AirBnB rentals capped at 60 days per year
過去にはリスティングを削除
アムステルダム市のルールを無視して民泊運営を行っていたAirbnbのリスティングが削除されたことも。
オランダ・アムステルダムでは個人宅の空き部屋をAirbnbで貸し出す際のルールが設けられている。家の所有者又は、家賃補助のある公共住宅以外の住民は又貸しでも大家の同意があれば、自宅を年間最大60日間旅行者へ貸し出すことができる。
防火対策をしていること、同時の宿泊者は4人まで、旅行税を支払うこと、近隣の同意を得ることを条件として許可は不要だ。
しかし、Airbnbに登録している多くの家主はルールを遵守しておらず、他の場所に仮住まいをしてAirbnb経由で家賃補助のある公共住宅を使いAirbnbに掲載をするホストも見られていた。