Airbnb共同創設者兼最高経営責任者 (CEO) でありコミュニティ担当でもあるブライアン・チェスキー氏は3月に、中国でのブランド名を「Aibiying(爱彼迎)」に変更することを発表した。
ブランド刷新に加えて、Airbnbは昨年11月にスタートした新サービス「Trips(トリップ)」を新たに上海でスタートするほか、中国への投資を倍増し年内に現地スタッフを3倍に増やす。
しかし、米国発のインターネット企業が中国でビジネスを成功させるのは容易ではない。これまでもヤフーやebay、マイクロソフトなどの米ネット企業が撤退している。
最近ではシェアリングエコノミーの代表企業とも言える配車アプリのウーバーが中国事業から撤退した。中国では最大手と言われる「滴滴出行(DidiChuxing)」の存在が大きくウーバーはその存在感を中国で示すことができなかったからだ。
「滴滴出行」を運営する北京小桔は、一部地域に限られるウーバーとは異なり利用可能地域を中国全土に拡大していることから多くの利用者を獲得し、中国市場でトップシェアを握った。
このように多くの米インターネット企業が中国市場への参入し撤退をしてきた。そんな中で発表されたのがAirbnbによる中国市場への本格参入に関する発表だった。
Airbnbは、民泊のプラットフォームとして世界的にシェアを拡大しているが、中国では「途家」Tujia.comや「小猪」Xiaozhu.com、「住百家」Zhubaijia.comなどの複数の民泊プラットフォームとの激しい競争にさらされている。
このような厳しい環境下でなぜAirbnbは本腰を入れ始めたのか?その理由には中国市場の大きさにありそうだ。
オンライン大手旅行代理店であるTuniu.comが公開したレポートによると中国国内、インバウンド、およびアウトバウンドの観光客の数は2017年に50億人を超え、支出額は6兆元(90兆円)以上になると伝えた。
中国発の民泊プラットフォームは中国国内の民泊物件を強みとしているが中国国外での物件数は少ない。一方でAirbnbは世界191ヶ国65,000以上の都市で300万室の部屋を提供しておりアウトバウンドでは優位だ。中国国内での物件数は45万室の登録がある途家に比べると8万室のAirbnbは劣るものの世界に目を向ければ他社を圧倒している。
中国市場における民泊市場の今後から目が離せない。