Airbnb、民泊の新規制で物件数を約50%削減 サンフランシスコ市で

民泊仲介サイト世界最大手のAirbnb(エアービーアンドビー)は、サンフランシスコ市で始まった新規制を受けて昨年9月から4,750件のリスティングを削除し、火曜遅くには2,080件を削除したと米メディアが報じた。

同社は依然として確認中としているが約5,500件のリスティングを掲載していると考えられ、約11,000件の8月と比べると劇的な減少となる。

米国カリフォルニア州のサンフランシスコ市では、AirbnbやHomeawayなどの事業者に対し、未登録の民泊物件の非掲載を義務付ける規制が16日にスタートしたのを受け、数多くのリスティングが民泊仲介サイトから削除されていたことが明らかになった。

規制の施行前にはホストによる駆け込み登録も目立ったものの、「仲介サイトのリスティング数がかなり減ったことは一目瞭然」と、サンフランシスコ市短期賃貸管理執行事務室のKevin Guy氏はサンフランシスコ・クロニクル紙の取材に語った。

これまでも数百件程度の削除は行っていたが、約4カ月間で削除前の全体の半数にあたる6,000件近くを削除した前例はこれまでなく、ついに本格的な対策に乗り出したようだ。

 

違反した仲介サイトには1物件約11万円の罰金を課す

2015年に住宅の短期貸し出しに制限を課したサンフランシスコ市に対し、AirbnbやHomeawayは訴訟を起こしたものの、2017年9月以降はすべてのホストを登録することで和解している。

16日に施行された規制は、AirbnbやHomeaway、その他の仲介プラットフォームにも未登録物件の非表示を求めており、万が一、未登録のホストが予約を受け付けた場合、1物件につき1,000米ドル(約11万円)の罰金が課される。

現在、サンフランシスコ市に登録申請中の物件は700件以上あり、1日に20件以上の新規申請があるため、最終的な登録物件数は流動的。一方で、登録申請を却下される数も増えている。

2015年2月から2017年8月にかけて申請者の26%が却下されたのに対し、9月以降の却下数は38%に上昇した。Guy氏は「登録が必要になったために、不正な申請書を提出しているケースもあると考えられ、申請書をしっかりとチェックしている。私たちからすれば却下数が増えるのも当然の流れだ」と話している。

 

日本でも住宅宿泊事業法で無届けの物件は一斉削除か

日本では、今年6月に一定のルールのもとに民泊を解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行を前に、現在民泊仲介サイトに掲載されている無許可物件や未届け物件が施行後削除されるのかが争点になっている。

民泊のデータ解析を手掛けるメトロエンジン株式会社のメトロデータによると、2017年12月現在で日本全国には5.6万件の民泊物件が実際に稼働しており、うち東京都には1.9万件、大阪府には1.4万件の民泊物件が存在している。

民泊の規制で日本より先行するサンフランシスコ市では、すでに大幅に無登録の民泊物件が削除されており、日本でも同様の対応がとられる可能性は高いと言えるだろう。



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