民泊プラットフォーム最大手のAirbnbとサンフランシスコ市は、未登録の住居の短期貸し出しを禁じた同市の条例を巡る訴訟で和解に達した。
サンフランシスコ市が去年夏に全てのホストに対して本人による直接の手続きを通して市に登録するよう求める新たな規則を制定したことを受けて、Airbnbは同社誕生の地であるサンフランシスコ市を訴えていた。両者の和解によりAirbnbは同社が抱えるサンフランシスコ市のホストを登録するとともに、市はホストに関する登録情報を得ることになる。
法廷闘争は2016年に、サンフランシスコ市が新しい登録規制を発表して始まった。AirbnbやHomeawayなどの、住宅の短期貸し出しを行うサービスを規制するもので、未登録で貸し出しを行ったホスト(市が定める登録番号のないホスト)の物件が掲載されていた場合、違反物件1件につき最高1000ドル(10万円)の罰金が民泊サイトに対して科される可能性があった。
このルールは、そのサイトに登録されているそれぞれの掲載物件の合法性を確保する責任をプラットフォームに負わせており、サンフランシスコ市5,500円(50米ドル)の費用がかかる書面での登録手続は、全ての書類を本人が直接提出することも求めるもので、これも障害となっていた。
AirbnbとHomeAwayはサンフランシスコ市と一緒にオンラインの「パススルー」システムを設けることで合意。ホストがAirbnbに登録する際に、ホストはリスティングに関する情報 (氏名、住所、郵便番号) が市と共有されることを知らされる。ホストがその物件の掲載を進める選択をした場合には、同市が認可登録を担当することになる。
さらに、両民泊サイトは全てのホストが実際に登録したことを確認するために、サンフランシスコの全ての掲載物件に関する情報を毎月提出することでも合意した。市に登録せずに存在している全てのホストは、サイトから削除されることになる。
なおこの和解には、サンフランシスコ市長らによる承認が必要で、承認が得られた場合AirbnbとHomeAwayは訴えを取り下げ合意内容を進める。
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