世界最大級の宿泊予約サイト Booking.com (ブッキング・ドットコム)の日本法人 ブッキング・ドットコム・ジャパンは、2018年から2019年の冬休みに訪日外国人観光客が訪れた日本の人気エリアランキングを明らかにした。
調査結果によると、日本を観光に訪れた外国人旅行者の国と地域によって、日本での訪問先エリアやその目的が大きく異なっていることがわかった。
今回の調査対象国と地域は、韓国、香港、台湾、タイ、シンガポール、アメリカ、イギリス、フランスの8カ国・地域。調査期間は2018年12月28日~19年1月6日にチェックイン予定の予約状況を基に作成したもの。
いずれの国と地域からの観光客の訪問先ランキングのトップは、東京と大阪の都市部が1位と2位にランクインするが、今回の調査では東京と大阪以外のエリアに焦点を当てていく。
韓国・香港・台湾などの観光客には、九州や沖縄が人気
韓国・香港・台湾など、日本から近い国々の外観光客は、距離も近い九州や沖縄を旅行先として選んだことがわかった。それぞれの国からの飛行時間は、韓国からが約1時間半、台湾からは約2時間半、香港からは約3時間半程度。
特に、韓国からの旅行者、由布や別府、熊本などの温泉地を好む傾向にある。実際に、観光庁の調査※1にでも、韓国・台湾・香港からの旅行者は、訪日の目的として「日本酒を飲むこと」の次に「温泉入浴」を選ぶことからも、「温泉」というアクティビティを楽しむ人が多いようだ。
台湾からの旅行者の人気都市ランキングでは、20位までに沖縄が3都市もランクイン。台湾から沖縄までは直行便で1時間程度と近く、その手軽さも人気の一つとなっているようだ。
※1 観光庁「平成29年訪日外国人消費動向調査(トピックス分析)」より
東南アジアの観光客には、北海道が人気
タイやシンガポールなど一年を通して気温が高い東南アジアの観光客は、北海道や高山(岐阜)、富士河口湖(山梨)など日本の冬を楽しめるエリアへの渡航が多いことがわかった。
タイやシンガポールは1年を通して気温は30℃近くあり、蒸し暑い時期も少なくない。これらの地域では、雪が降ったことがなく雪も見たことがない人も多くいる。
そのような理由から、雪と日本ならではの景色を求めて、北海道の札幌や函館、ニセコといったエリアや富士山周辺の富士河口湖に人気が集まっているようだ。
欧米圏 ー ウィンタースポーツと世界遺産の二極化
アメリカ、イギリス、フランスなど欧米圏からの観光客は、京都(京都)や日光(栃木)など日本の世界遺産を楽しむ旅と白馬(長野)でウィンタースポーツを楽しむ旅をしているようだ。
11位以降はアメリカ・イギリスと、フランスで特徴が大きく分かれる結果となった。アメリカやイギリスからの観光客には、ニセコや白馬などスキーやスノーボードができる旅行先が人気で、「JAPOW」と呼ばれるパウダースノーを目当てにしているケースも多い。
一方、フランスからの旅行者は、11位以降もウィンタースポーツを楽しむような旅行先は選ばず、アートの街として知られる直島や奈良・日光・宮島など世界遺産がある街がランクインしている。
観光庁※2によると、フランス観光客は「7~90日間」の長期滞在者が95%と大半を占めていることからも、日本での長期滞在で、地方の世界遺産などを巡っていることが推測できる。
※2 観光庁「平成29年訪日外国人消費動向調査」より