東京商工リサーチによると、株式会社ファーストキャビンと関連4社は 4 月 24 日、東京地裁に破産を申請したと発表した。同日中には破産開始決定を受ける見通しだという。負債総額は5 社合計で約 37 億円。
ファーストキャビンは「COMPACT & LUXURY」をコンセプトに、飛行機のファーストクラスの雰囲気をホテルに落とし込んだキャビンスタイルのホテル。東京を中心に全国で都市部を中心にフランチャイズビジネスを展開。
直近では北海道や千葉、東京、京都、大阪など、福岡など全国約 25 軒まで拡大し、2019 年 3 月期は売上高 16 億 8645 万円をあげていた。
しかし、直近ではホテルの供給増や競合ホテルとの競争激化などから業績目標は未達の状態が続き、2019 年 3 月期は減損など特別損失の発生で 2 期連続の赤字に転落。
さらに、世界的に感染が拡大する新型コロナウイルスの影響により、3 月下旬から 4 月上旬のホテル稼働率は約 10 %に低下するなど急激に業況が悪化していた。政府による緊急事態宣言の発令後は同グループで休業するホテルも相次ぎ、事業継続が困難となったという。
今回の破産申請で営業を終了した同グループのホテルは「ファーストキャビン築地」「ファーストキャビン京橋」「ファーストキャビン京都河原町三条」「ファーストキャビン京都嵐山」「ファーストキャビン柏の葉」の5軒。
その他のフランチャイズ店舗の多くは新型コロナウイルス感染拡大の防止のため一部店舗を除き 2020 年 5 月 31 日まで休業中で、今後の収束動向を踏まえフランチャイズオーナー等の判断で営業を再開する予定だという。
東京商工リサーチによると、同時に破産を申請した関連4社は、(株)ファーストキャビン開発、(株)ファーストキャビン京都三条、(株)ファーストキャビン京都嵐山、(株)ファーストキャビン柏の葉だという。
《関連記事》新型コロナウイルスによるホテル・旅館の倒産まとめ