米検索エンジン大手のGoogle(グーグル)は、Google Maps(グーグルマップ)のデスクトップ版とモバイルアプリ版のアップデートを行い、ホテル検索機能に新しいフィルターを追加した。
Googleユーザーは、無料Wi-Fi、ジム、プールなどのアメニティがある宿泊施設を検索し、ペットや子供に優しいかどうか、無料の朝食やジムなどのサービスがあるかを調べることができる。
Google Maps で「Hotels in Paris」などのホテル検索を行った際に「ホテルの設備」で絞り込みが行うことが可能に。「無料 Wi-Fi 」「フィットネスセンター」「ペット同伴可」などの新しいフィルターを利用した絞り込みができるようになった※。(※検索対象エリアによって利用可能なフィルターが異なる)
Googleは、2019年3月にGoogleホテル検索をリリース。従来なかったホテル検索サービスのトップページを公開し「ホテル検索サイト」のサービス強化を進めている。
特に昨今Googleが注力しているのが、宿泊先を探す際に重宝する「ホテル検索フィルター」の機能強化だ。
2019年3月には、オンライン宿泊予約サイトのExpedia(エクスペディア)やHomeAway(ホームアウェイ)、HolodayLettings(ホリデーレッティングス)などの複数の予約サイトに掲載されている民泊物件を絞り込みできるフィルターを追加。
2019年4月には、スマートフォン版のGoogle ホテル検索にホテルブランド名での絞り込みを可能にする条件フィルターを追加。ホテルブランドフィルターで、例えばマリオット・インターナショナル傘下のホテルだけを表示することも可能になった。
一般的に、ホテルを比較検索する際は、ホテルの評価スコアや宿泊価格帯、ホテルクラスなどで絞り込みを行ってから比較検討を行いたいと考えるだろう。オンライン予約サイトでも一般的なホテルフィルターの強化で、Googleのホテル検索は、さらにその存在感を増すことになるだろう。
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Google Maps、生活に欠かせないアプリに
Google Mapsはこれまで、ホテル予約やイベントチケット、レストラン予約などを、サードパーティとの連携によって検索できるサービスを強化したが、今回アップデートされたフィルター機能は、グーグルマップが「スーパーアプリ」に変容する下地ができつつあることを示してもいる。
旅行業界向けメディアのSkiftによると、地図専門家のジャスティン・オバーン氏は「Google Maps は世界のあらゆる建物を認識しようとしていて、いずれは検索結果の対象となる建物を強調して表示したり、スポットライトを当てたりし始めることになりそうだ」と、さらなる変貌を予測する。
2018年10月に、ぐるなびはGoogleのパートナーとして参画し「Googleで予約」で飲食店のオンライン予約サービスを開始。Googleの検索結果やGoogle Mapsからスムーズにレストランの予約を完結することができるようになった。
2019年4月には、電気自動車(EV)充電スタンドの検索サービスを強化し、充電ポートの空き状況をリアルタイムで表示※できるようにするなど、Googleはサービスの強化に余念がない。(※アメリカとイギリスのみ)
Google Mapsが今後どのような変貌遂げるのか、今後の動向から目が離せない。