ヒルトン、米国主要都市のホテルで稼働率「一桁台」も、米国内ホテルの大半を一時閉鎖へ

世界でホテルチェーンを展開するヒルトン・ワールドワイド・ホールディングズ(Hilton Worldwide Holdings Inc.)のCEO、クリストファー・ナセッタ氏はこのほど、ホワイトハウスでのトランプ大統領との会談で、米国内の主要都市でグループホテルの大半を一時閉鎖する計画を明らかにした。

ヒルトンはすでにニューヨークとワシントンのホテルを一時的に閉鎖し始めているが、ナセッタ氏は会談の中で、世界各国の政府が新型コロナウイルスの蔓延阻止に取り組んでいることを受け、ホテル稼働率が世界的に10%に低下する可能性があることにも触れた。

ナセッタ氏は「私は 911 同時多発テロや世界金融危機などいくつもの危機を経験してきた。業界に携わった35年間の中で、こんなことは初めてのこと」と切り出し、今回の感染症の発生は業界に「壊滅的な」影響を及ぼしており、米国の主要都市におけるホテル稼働率は「一桁台に入っている」と伝えた。

これらの発言は、2500 億ドル規模の経済支援を求め、マリオット・インターナショナルなどホテル・旅行業界の幹部らがホワイトハウスを訪れ、トランプ大統領と行った会談の中で出たもの。

ヒルトンの株価は過去 52 週間で最低の 51.75 ドルを記録したあと、3 月 18 日朝方の取引で 17% 以上下落し、 53.56 ドルの値を付けた。過去 52 週間の取引は 51.75~115.78 ドルの間で推移していた。

米国ではすでに、ホテル従業員の雇用に新型コロナウイルス拡大の余波が広がっている。全米で 130 軒以上のホテルを所有または運営するアシュフォード(Ashford Inc,)は新型コロナウイルス感染症による経済的打撃を受け、7千人の従業員の 95% を解雇か、一時解雇した。

ヒルトンは世界 14 の国と地域に約 6,000 軒のホテルを有し、そのうちの 4,500 軒がアメリカにある。従業員は世界で約 45 万人、米国内で約 26 万人に上り、問題が長期化すれば、同社従業員の雇用にも何らかの影響を与える可能性はある。



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