【運行状況まとめ】香港空港、占拠で連日フライト欠航 長期化の場合、日本の観光業界にも影響を与える恐れも

「逃亡犯条例」の改正に端を発したデモ隊による抗議活動の影響で、8月12日の午後6時(現地時間)からほぼすべての便で欠航が決まっていた香港国際空港では、13日もデモ隊がロビーなどを占拠した影響で、キャセイパシフィックや日本航空などで続々と欠航が決まっている。

香港空港管理局が発表した声明によると、香港国際空港のターミナル運用について混乱が生じていることからすべての搭乗手続きを中止しており、出来る限り速やかにターミナルビルから退避するよう呼び掛けている。

12日の段階では、フライトの欠航は同日中としていたが、13日もデモ隊が集結しターミナルの運用ができなくなったことからフライトの欠航を決めた。14日以降もすでに一部の便で欠航が決まっているが、13日同様にフライトの欠航が決まる可能性がある。

キャセイパシフィックは、同社ホームページで今後さらなるフライトの遅延・欠航が発生する可能性があるとし、14日までのフライトを予定している乗客に対して旅行プランを変更を促すほか、空港へは来ないように呼び掛けている。

また、全日本空輸は香港空港 ANA出発カウンターが利用できない状態となっているため、オンラインチェックインにて手続きを完了させ空港へ来るよう呼び掛けている。

香港では、刑事事件の容疑者を中国本土へ引き渡せるようにする「逃亡犯条例」改正に端を発し、改正案の完全撤回と親中派で香港政府の行政長官 林鄭月娥(キャリー・ラム)の辞任を求めるデモ活動が続いている。

8月11日に起きたデモで女性参加者が右目に重傷を負い、失明する恐れもあるとの報道を機に市民の反発が強まり、SNSでの呼びかけで空港でのデモが拡大。12日の夜にはデモ隊の大半が空港を離れたが、一部は徹夜で抗議活動を繰り広げたほか13日にも空港にデモ隊が再集結した。

 

香港国際空港 発着便状況 欠航した日本便のみ(8月13日最新版)

香港国際空港運行区間
キャセイパシフィック<8月13日 日本着>
・香港 成田 CX524/CX526/CX520:欠航
・香港 羽田 CX548:欠航
・香港 大阪 CX566/CX594/CX506/CX568:欠航
・香港 福岡 KA380:欠航
・香港 沖縄 KA378:欠航
<8月13日 日本発>
・成田 香港 CX509/CX521:欠航
・羽田 香港 KA397:欠航
・大阪 香港 CX597:欠航
・福岡 香港 KA381:欠航
・沖縄 香港 KA379:欠航
全日本空輸<8月13日 日本着>
・香港 大阪 NH874:欠航
・香港 名古屋 NH875:欠航
<8月13日 日本発>
遅延のみ
日本航空(JAL)<8月13日 日本着>
・香港 成田 JL7040/JL7026:欠航
・香港 羽田 JL7030:欠航
・香港 大阪 JL7050/JL7060:欠航
・香港 福岡 JL8284:欠航
<8月13日 日本発>
・成田 香港 JL7041/JL7047:欠航
・大阪 香港 JL7051:欠航
・福岡 香港 JL8285:欠航

※状況が変わる恐れがあるため詳細は各社ホームページをご覧ください。

 

韓国に続いて、香港も 日本の観光業界に打撃の恐れも

日本政府観光局(JNTO)がまとめたデータによると、2018年の訪日外国人数は前年比8.7%増の3,119万人で、過去最高を記録した。国・地域別では、トップは中国の838万人(全体の約26.8%)で、次いで韓国が753万人(同24.1%)で続いた。

しかし、元徴用工問題や輸出規制強化などで日韓関係が大きく冷え込んでいることで、2019年上期(1─6月)の訪日韓国人旅行者数は同3.8%減となり、2014年以来5年ぶりに上期の減少となっている。

訪日外国人の増加で活況を呈していたホテル業界などの観光業界であるが、2019年上期に訪日外国人全体の24%を占める韓国からの観光客が減少に転じたことで「黄色信号」が灯りはじめた。さらに、香港からの訪日客にも「黄色信号」が灯り始めている。

2018年に香港から到着した訪日外国人数は、220万人と中国・韓国・台湾に次いで4番目に多い国で、全体の約7%を占めている。香港国際空港のデモが収束するめどはたっておらず、このまま長期化した場合、日本の観光業界に打撃を与える恐れもある。

日本政府観光局(JNTO) 訪日外客数より



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