観光庁が発表した 2020 年 5 月(第 1 次速報)の宿泊旅行統計調査によると、ホテルや旅館など宿泊施設の稼働率は、4 月の 16.3% を 3.5 ポイント下回り 12.8% だったことが明らかになった。
2020 年 5 月の延べ宿泊者数は、前年同月比 84.8% 減の 781 万人泊。そのうち日本人の延べ宿泊者数は前同 81.6% 減の 767 万人泊、外国人は 98.6% 減の 14 万人泊となり、過去最低となった 2020 年 4 月の数字をさらに下回った。
政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、4 月 16 日に改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を全国に発令し、不要不急の外出、都道府県をまたぐ移動の自粛などを要請。
さらに、訪日外国人に対する対応として実施する入国拒否の対象国は徐々に増えており、入国拒否の対象は2020 年 7 月 1 日時点で 129 カ国・地域に拡大。検疫の強化、査証の制限等、航空機の到着空港の限定等及び到着旅客数の抑制の措置等の水際対策は、7月末までの間に延長している。
このような未曽有の事態を受けて、全国のホテルでは営業を取りやめたり近隣のホテルに営業を集約するなどの動きが 5 月~ 6 月にかけて発生したこともあり、外国人利用者だけではなく、日本人客も大幅に減少した。
政府から発出されていた緊急事態宣言は 5 月 25 日に解除となったほかは、6 月 19 日からは都道府県をまたぐ移動についても全国を対象に緩和されたことで、6 月は 5 月よりも国内旅行を中心に改善しているとみられる。